選考詳細設計とは、評価項目を見極めるために、各選考手法での評価方式や質問内容/ディスカッションテーマを決定し、選考運営を円滑に進めるための評定票やタイムテーブルを策定することです。
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採用活動で、選考手法と見極めるべき評価項目を設定したら、各選考の詳細設計を行います。
ここでは、代表的な新卒採用で選考手法である面接とグループディスカッションについての選考詳細設計を述べます。
選考詳細設計にあたっての一般的な策定フローは以下の通りです。
※状況に応じて、1と2の順番は入れ替えても差し支えありません。
評価項目をどのような方式で評価するのか検討します。
評価方式を決定したら、その方式に応じて必要な定義を検討します。
評価方式の種類やその定義例は、以下の通りです。
種類 | 説明 | 定義例 | 評価の 厳密性 | 学生の言動 パターンの 事前想定 |
---|---|---|---|---|
段階方式 | 評価項目ごとに評価段階を設け、その判断レベルはある程度評価者に委ねる方式。 | 「高い・普通・低い」 「○・△・×」 「A・B・C」 | 低 | 少 |
点数化方式 | 評価項目ごとに点数化した基準を設定し、総合点で判定ラインを設定しておく方式。 | 【発信力の場合】 2点: 論理的かつ分かり易い。 1点: 論理は欠けるが、分かり易い。 0点: 発言している程度。 -1点: 周囲を混乱させる。 | 中 | 中 |
チェック リスト方式 | プラス要素、マイナス要素それぞれをチェックリスト化し、チェック数を勘案して総合的に評価する方式。 | ・挨拶・言葉遣い・態度から誠実さが感じられる ・表情や声がイキイキしている ・落ち着いており、感情が安定している | 高 | 多 |
評価方式の選定にあたっては、選考官の目線合わせの為にどの程度細部にわたって設計するのか考慮しながら、評価をどの程度厳密に行うのか、また学生の選考時の言動パターンをどの程度予め想定できるかにより、自社にあったものを選定してください。
評価方式が決定したら、その評価方式をベースに、質問内容(面接の場合)やテーマ(グループディスカッションの場合)を検討していきます。
面接では、学生と企業の双方向の対話により、企業は学生を理解していくことができます。そして、学生は予め面接で話す内容を想定していることが多々あります。よって、事前に決定するのは基本質問のみで、面接中の流れによって追加/深堀質問を行います。尚、基本質問とは、面接中の対話のきっかけとなる初めに投げかける質問のことです。
基本質問タイプとその例は、以下をご参照ください。
※追加/深堀質問については、こちらを参照してください。
基本質問タイプ | 基本質問 例 |
---|---|
自己紹介/分析 | ・自己紹介を○分でお願いします。 ・自身の強みと弱みを教えてください。 ・自身の性格について教えてください。 |
学業面 | ・大学で勉強していたことを教えてください。 ・どのような勉学に興味がありましたか。 ・研究にどのように取り組んでいたか教えてください。 |
クラブ、 アルバイト | ・クラブ活動(アルバイト)は何をやっていましたか。 ・クラブ活動(アルバイト)で困難なことはありましたか。 ・クラブ活動(アルバイト)で成長したと思うことはありますか。 |
キャリアプラン | ・当社への志望動機を教えてください。 ・入社したらどんな仕事がしたいですか。 ・仕事を通じて、どのようなスキルや経験を身につけていきたいですか。 |
選社ポイント | ・会社を選ぶ基準を教えてください。 ・就職する上で、重視していることを教えてください。 ・他社は、どこを受験していますか。 |
グループディスカッションでは、学生同士でどのように物事を進めるかを確認するため、原則、選考官は介在しません。よって、テーマ設定が評価項目を見極めるための全てであり、以下の前提が盛り込まれていないと、適切に評価することができません。
最後に、選考を実施した内容は記録するツールである評定票とタイムテーブルを策定します。
評定票の作成にあたっては、
を記録します。これらの内容をどの程度細部にわたって記録してもらう必要があるかを検討した上でフォーマットを決めましょう。また、選考官が面接進行の参考としたり、メモができたりするような工夫も加えられるとなおよいでしょう。
タイムテーブルは、限られた時間の中で、円滑に進行を進めるための進行運営表となるものです。円滑に選考を進めるには、学生の心境や立場を考慮して、何を伝えなければならないかも合わせて検討してタイムテーブルを策定します。
選考詳細設計とは、設定した評価項目を適切に見極める仕組みを作り、そしてその仕組みを見える化したツールを準備することです。選考には多くの選考官が関わることが多いので、こういったツールがないと基準を統一した評価ができなくなります。
特にその仕組みに、評価誤差が生じないスキームが盛り込むことには細心の注意を図りましょう。
上記で述べた評価方式の定義、質問内容/テーマ、評定票/タイムテーブルは、全てその仕組みの見える化が目的です。自社の選考官の習熟度や意識統一の状況に応じて、評価項目を見極めるために必要なツールをしっかり準備しましょう。
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