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開催日: 2018/12/12

セミナー米国HR Tech最新動向

【第二部】人事トップ集結!パネルディスカッション
企業のHR Tech取組と見解

アフターレポート パネルディスカッション

アフターレポート
パネルディスカッション

開催日: 2018/12/12

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  • パネリスト
  • 生宗 潤(いきむね じゅん)氏
    TIS株式会社 常務執行役員 人事本部長
  • 中島 寛子(なかじま ひろこ)氏
    株式会社サウンドハウンド 代表取締役
  • 菱沼 恒毅(ひしぬま こうき)氏
    ヤフー株式会社 ピープル・デベロップメント総括本部 コーポレートPD本部 採用・育成部 部長
  • 内田 潤青(うちだ じゅんせい)氏
    グリー株式会社 人事本部人事企画部 人事基盤チーム マネージャー
  • ファシリテイター
  • 北澤 孝太郎(きたざわ こうたろう)
    レジェンダ・コーポレーション株式会社 取締役
  • 樋口 新(ひぐち あらた)
    レジェンダ・コーポレーション株式会社 採用支援事業部 部長

第二部では、4企業の豪華ゲスト陣によるパネルディスカッションが行なわれました。HR Techが黎明期から成長期へと移行しているといわれる今、日本企業の人事トップたちは、どんな課題に取り組み、HR Techとどう向き合っているのでしょうか?

第一部の『米国HR Techカンファレンス2018』報告会のリポートからも見えてきた、急速なテクノロジーの進化は、これからの人事の在り方に少なからず変化をもたらすことは間違いありません。クラウドやAI技術の著しい発達のもと、HR Techは日本国内でも脚光を浴び、盛り上がりを見せています。そこで、ツールの選択、活用方法、HR Tech運用で人事に必要となる人材についてなど、パネリストたちが実際に直面した事例をもとに、率直な議論を展開していただきました。

各社の人事課題への取り組みとHR Tech活用状況

北澤
早速ではございますが、パネラーの皆様に自己紹介をお願いします。人事課題にどう取り組んでおられるか、またHR Techについて、今何かやっておられることがあれば、お話ください。

内田 潤青 氏

内田氏

グリー株式会社の内田と申します。私はもともとSAPのERPの導入等をやっておりました。その後人事に異動し、人事制度の導入にも携わりました。そのあとグリーに人事として入社し、人事とテクノロジー両方の経験と知識を活かして、去年ぐらいからHR Techに注力しています。グリーでは、タレントマネジメントシステムを入れていたのですが、フル活用できていませんでした。そこで、人事が持っているすべてのデータを一箇所に集めて、それを分析・閲覧できる人事データプラットフォームを昨年作りました。よくあるセルフ型のBIツールを使ったのですが、それを応用することで、分析用途以外に、あらゆるキーワードで検索できる人材データベースとしても使えるプラットフォームができました。さらに同じプラットフォームから勤怠レポートを配信する仕組みも作りましたが、この人事データプラットフォームの運用は基本的にほぼ全自動でやってます。使いたいときには最新のデータで検索でき、従業員番号をキーにいろんなデータにアクセスできるという状態になっています。

菱沼 恒毅 氏

菱沼氏

ヤフーの菱沼と申します。私は2014年にヤフーに入社して、今は採用と人材開発を担当しております。ヤフーに来る前は、リクルートで営業や事業開発に携わっていました。今、ヤフーで人事の仕事をしておりますが、私たちはインターネット事業を生業としています。インターネットの世界では、海外を見ればGAFAなどの企業が、世界規模で成長しています。そういう事業環境の中で、イノベーションと、一方で、決めたものを力強く動かしていく、実行力を携え、課題解決や新しい価値の創造に挑戦しています。改めてよろしくお願いします。

中島 寛子 氏

中島氏

サウンドハウンド社は、シリコンバレーに本社を置く音声AIプラットフォームを開発している企業です。当社は、すべて独自で音声認識の技術を開発していまして、ありとあらゆるIOT機器に当社の音声認識技術を入れていこうという大きなビジョンを持って開発に取り組んでいます。当社の創業者は、設立当初より人の脳と同じようにあらゆる音を機械で捉えたいということで、音声認識の事業を進めております。

私自身は、シリコンバレーの会社を何社か経験しまして、サウンドハウンド社の日本法人の代表となりました。日本の会社ではまだ人事という専門組織があるわけではなく、本社と協調しながら進めています。非常に優秀な技術者を採用することが急務となっておりまして、当社の場合は、こちらから積極的にお声掛けし当社に興味を持っていただく事もしており、幸い素晴らしい精鋭チームが育っております。

生宗 潤 氏

生宗氏

TISの生宗といいます。私はTISに新卒で入りまして、もっぱらSEのキャリアを積みました。当社は今年度あたりから、会社は人を大事にするんだということをかなり強く意識しまして、そのために、もともと人事部はあったのですが、人事本部を作って4月から私が人事本部を任されています。TISの中で今一番大きなテーマというのは、社員の働き甲斐を格段に上げるということです。そこで、人事本部のマニフェストというのを作ったんですね。その中身を少し紹介しますと、この3年間に行う施策を示し、しかもそれは抽象的ではなく、たとえば、給料をこれだけ上げますとか、定年はいついつにしますとか、両立支援はこれだけ拡大しますとか、配置に関しては人材ポートフォリオをしっかり見て、適材適所に配置しますとか、28項目ぐらい作りました。それを4月スタート時点で、全社員に公開しました。社内で、かなり反響をいただいていまして、我々としても今までにない試みでした。マニフェストは1回出したらおしまいではなく、半年後にできなかったら、なんでできなかったのかを説明したり、その代わりにもっと良い施策を出すといった運用を、今、している最中です。

HR Tech導入のために選択すべきツールとは?

北澤 孝太郎

北澤

今おっしゃったようなことを円滑に進めるためにHR Techを使っていかれるのかなと思いますが、その辺を議論して参りたいと思います。HR Techがいいものであれば、皆さんどんどん入れていこうという背景だと思いますが、まずツールをどうやって選択されますか?内田さん、どうですか?

内田氏

HRにテクノロジーを注入するといったときに、やはり、目的と範囲をきちんと考えないといけないと思っています。オペレーションや単純作業のところを自動化したいのか、それとも人が判断するための助けとなるデータを提供したいのか、それによって選択するテクノロジーは違ってくると思っています。我々も、さっき言った人材データベース以外に、すぐエクセルと向き合って作業しちゃうような部分を、APIを使ったりして徹底的に自動化する取り組みをやっています。そういうふうに、どこに何を適用するかというのは、しっかり考えないと迷子になってしまうかなと思います。

北澤

菱沼さんはいかがですか?皆さんの世代であれば英語も、我々の時代に比べますと、できるでしょう。そこで、どんなツールを選びますか?

菱沼氏

第一部で樋口さんのプレゼンテーションを聞きながら思ったのですが、マーケティングの世界もファイナンスの世界もそうですが、ビジネス機能の手段として、何らかのテクノロジーを使うということはあたり前です。今後どの会社もあたり前に手段として活用していくと思います。そうしたときに、やはり、スタートラインで人事が目指すもの、人事の成果とは何なのかをグランドデザインすることが大事だと思います。その過程でツールが必要であれば、他のビジネス機能と同じように入れていくことを淡々とやらないといけないのではないかと思います。

中島

当社は、要所要所でテクノロジーを使いながら、高度な技術者の採用を推進しています。会社にとって人材というのは宝です。機械的に多くの採用をすることはできませんが、会社の規模が大きくなれば、なんらかのHR Techによるフィルタリングをつける価値はあるのかなと、今回の情報を拝見して感じました。アメリカの会社はわりと人間力を重視しますので、逆に言うと、HR Techが発達していけばいくほど、人事や、採用担当者の人間力や能力が余計大事になるのかなとも思いました。

生宗氏

今年から、採用する人材像について面接官の判断が正しいかを検証しています。たとえば、入社3年目と5年目でめちゃくちゃ輝いている人たちのデータを集めて、その人たちが内定の段階でどんな特性を示していたか、というのがわかるんですね。次からはそれをAIを入れて判断させようという話があがっています。

人事には、労務という概念の仕事もたくさんあります。各会社の人事にも労務何年という方が、判断をしているかもしれません。しかし、世の中の価値観は、過去とは全く違いますし、いろいろな判例も出てきて、そういうものを総合的に見ると、今の結論は、昔の重鎮が出した結論とガラッと変わる可能性があります。そういった労務にAIやビッグデータによる分析が活用できるのではないかと思っています。

過去のデータからどう未来を予測するか

北澤

過去のデータを未来に役立たせるためにはどういうことが必要でしょう。

内田氏

そうですね。ちょうど、そこを社内でも議論しています。本当に過去のデータから未来を予測できるのか、それができたら本当に誰も苦労しないと思うんですよ。例えば、新卒採用に限った話でいくと、「この人はやめたほうがいい」はわかるけれど、「この人を採ったら大成功だ」というのはわからないのではないかという議論をしています。

というのも、入社後のファクターが多すぎるからです。すぐれた上司の下について成長できたり、もしくは、事業や最初にアサインされた場所によって違ってきたりもします。なかなかいい方向の予測というのは難しいかもしれないので、「こういう人はやめたほうがいい」という予測や、判断ならできるかもしれないなと。今はそこまでを考えています。

菱沼氏

採用という局面においては、私たちは個人に対して、その人の能力や資質というものを理由にしますが、その前提には、私たちの会社がどういう環境で、どういう人が育ち、どういう仕事の渡し方をしているのか、という環境やつながりが活躍度合いに影響していると思います。選考で人の資質や特技を可視化していくのと同時に、自分たちの組織が持つ特性を自覚していくということの、両方必要じゃないかと思います。

生宗氏

我々はA君が職場で輝いているのは、「関係構築力がこういうケースのときに高い」「この部署にいたときはリーダーシップを発揮する素養がある」といったデータを集積しました。それを類型化して、新卒の面談者がきたときに、「A君のこういう仕事をしているときの人間関係力の発揮の仕方に近い」と活用できるのではないかと考えています。

人事部にHRエンジニアは必要か?

北澤
HR Techについて、どうしてもこの話題に触れておきたいのですが、社内、また人事部の中にそもそもテクノロジーを動かせるような人材があまりいないのではないかと。最近アメリカでも“HRエンジニア”という新しい言葉が出てきました。こういう技術を持った人事パーソンが必要だと言われ始めています。これは、どう思われますか?
生宗氏

当社は、いわゆるSEだとか、テクノロジーを旨として入ってきた人たちの集団です。当社の中では、いろいろなテクノロジーを理解している人たちを人事に入れて、そこでしっかりHR Techを推進していこうという思いはあります。

内田氏

テクノロジーを動かせる人材というのは、本来的には人事でも必要だと私も確かに思います。ただやはり、たぶん多くの会社で問題になるのが、その人にエンジニアスキルがあり、かつ、人事データを全部見せても大丈夫な人材なのかということです。この2つを考えたとき、なかなか都合よく社内にいないのではないかと思いました。

しかし、ひとつ言えるのは、そもそもテクノロジーに知見のない人事の方だとしても、その価値観やカルチャーを身につけていくことはできます。私のチームメンバーで言えば、そのメンバー自身は全然コードも書けないし、どちらかというとITは苦手なほうでも、単純作業の自動化をやっていくうちに、他の業務についても同様に気づくんですね。「あれ?この作業も自動化できるんじゃないの?」と。テクノロジーの知識がなくても、そういう感覚を身につけていくことが必要かなと思っています。

北澤
なるほど。ありがとうございました。ちょっと時間が迫ってきましたので、ここで会場の中からパネラーの方々に質問がありましたら挙手をお願いします。
質問者

グリーの内田さんに質問です。私自身もHR Techに関しては“導入すること”よりも、やはり“目的が何か”というのが一番重要だと思っています。

先ほど、内田さんから、従業員番号で何でも検索できるというお話もありましたが、もともとどのような課題があって、具体的にそれを皆さんがどう活用されているかについて教えてください。

内田氏

当社の場合は、人材データベースにはあらゆるデータを入れていますが、例えば研修準備やアサイン検討時に「この従業員について知りたい」といったとき、その担当者が閲覧できる範囲ですが、データを見て背景をしっかり把握した上で、動くことができる。データベースに関してはそういう使い方をしていますね。

そのほかのツールでいくと、特に私のチームでは、基本的にエクセルと向き合っての手作業はしないというポリシーで運用しています。チャットやメールで行なう従業員向けの通知も、手でパチパチ打ったりは絶対やらないですね。全部ツールを作って自動化しています。

北澤
はい。どうもありがとうございました。本日は、本当に難しい課題についていろいろとパネラーの方にお話いただきました。

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