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開催日: 2018/03/08

セミナー人事部長、次世代リーダー向け

人事部長の想い切りライブ働き方改革の落とし穴

アフターレポート 一部 トークショー

アフターレポート二部
人事部長パネルディスカッション

開催日: 2018/03/08

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  • 福島 徹二(ふくしま てつじ)
    新日鉄住金ソリューションズ株式会社 取締役 上席執行役員 人事本部長
  • 瀬戸 まゆ子(せと まゆこ)
    武田薬品工業株式会社 ジャパンファーマビジネスユニット 人事部長
  • 長崎 健一(ながさき けんいち)
    ソフトバンク株式会社 人事本部 本部長
  • 水上 雅人(みずかみ まさと)
    日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 人事総務本部長
  • ファシリテイター北澤 孝太郎
    東京工業大学大学院 特任教授
    レジェンダ・コーポレーション株式会社取締役

レジェンダ・コーポレーション(株)では、「人事のNo.1イノベーションドライバー」をビジョンに掲げ、企業の成長の要となる人事の変革を目指し活動しています。
その第一歩として、かねてよりWebサイトに掲載している取材記事「人事部長の想い切りトーク」のライブ版を2018年3月8日に開催しました。
テーマは「働き方改革の落とし穴」。働き方改革が進む中でどのような障壁・課題が新たに生まれているのかについて、トークショーとパネルディスカッションを行いました。
人事部長など5名をお招きしたパネルディスカッションの模様をお届けします。

各社の働き方改革への取り組み

北澤
皆さま今日はお集まりいただきありがとうございました。ではまずは自己紹介と、働き方改革にどう取り組んでいられるか。まずはお話いただければと思います。よろしくお願いします。

水上 雅人 氏水上 雅人 氏

水上氏

こんにちは。日本ベクトン・ディッキンソンで人事総務の責任者をやっております、水上と申します。私は30数年、人事の仕事に携わっています。「働き方改革」という名前が付いてからは、色々な取り組みがやりやすくなってきているのを実感しています。先ほどの髙橋さんのプレゼンテーションの中にあった、働き方を変えるのではなく生き方を変えるんだというのは、私もその通りだなと思っています。特に海外の人たちと色々な仕事をしていると、日本人の生き方はまだまだ変えられるものがあって、そこがきちんと理解されれば、みんな喜んで働き方、生き方を変えていけるのではないかなと。当社は、日本のヘルスケア業界における働きがいのあるベストカンパニーにしていきたいというトップの強い思いもあるので、ぜひ実現していきたいと思っています。

長崎 健一 氏長崎 健一 氏

長崎氏

皆さんこんにちは。ソフトバンクで人事を担当しております、長崎と申します。私も人事は、今、大体20年ぐらいですね、ソフトバンクでは14年ぐらいです。ソフトバンクはもともと根性でやりきってなんぼみたいな、ベンチャースピリッツの会社でしたから、数年前までは正直言うと働き方改革などの考え方はあまりありませんでした。ただ、今、事業の改変ということで、働き方改革というキーワードをもとに考え方が変わってきているかな、という感じですね。そのあたりをお話していけたらなと思っています。

瀬戸 まゆ子 氏瀬戸 まゆ子 氏

瀬戸氏

武田薬品工業の瀬戸と申します。よろしくお願いします。前は外資系企業におりました。製薬会社の現状として、自社で開発をしてブロックバスターと呼ばれる商品を売り出すというのは非常に難しくなっており、薬の性質も非常に高度になってきています。そうなると、他社とどのようにコラボするか、ジョイントベンチャーするか。デジタルや新しいテクノロジーをどうライフサイエンスの中に入れるか、新しいものをどう作り出すか、どう開発するか。よそから見て「タケダと組みたい」と思われるかなんですね。ところが実際社内の文化というのは必ずしも外向き志向ではない。それでは新しいビジネスを生み出しにくい。ですから働き方改革というのは個人の幸せとか色々ありますが、私はそれを通じてみんながもっと外向きになるための1つのアプローチと考えています。世の中何が起きているか社屋から出て体験しようよ、というところから取り組んでいます。

北澤
確かにそうですよね。縦型のピラミッド組織では、なかなかものを生み出しにくいですよね。そんなお話もうかがえればと思います。では、福島さんお願いします。

福島 徹二 氏福島 徹二 氏

福島氏

皆さんこんにちは。新日鉄住金ソリューションズの福島でございます。私は1980年に新日鉄に入って、2015年まで流通・サービスソリューション事業部長をしておりまして、ずっと現場の技術者でSEやプロマネをやっていました。人事は2016年の4月からです。今、人事本部長で、働き方変革のリーダーをやっています。せっかく現場から行ったので、まず徹底的に現場目線でやろうという事と、プロジェクトとしてきちんとやろうとしています。ゴールとしては、まず働きがいがあって働きやすくて魅力的な会社にしよう。そして社員一人一人が幸せな会社生活を送れるようにしよう。この二つの目的に対して本質的な課題というのは何かを、色々抽出しています。

労働時間の削減で、企業の力は落ちるのか?

北澤 孝太郎北澤 孝太郎

北澤
働き方改革は、やもすれば労働時間を短くすればいいということになりがちだと。そうすると国力、そして企業の力が落ちるんじゃないかという危惧もあります。これについては水上さんどうですか?
水上氏

労働時間イコール成果とはならないとの考えです。私は以前エリクソンというスウェーデンの会社にいたのですが、スウェーデンは非常に労働時間も短いですし、男性と女性と順番に育児休暇を1年ずつ取るといったことも当たり前です。男性の部長が4時になると子どもを迎えに行くといった光景も普通にみられます。そうした国と比べて、長時間働いている日本のビジネスのほうが競争力が高いかというと必ずしもそうではないわけです。ですから企業の力は、労働時間よりも生産性であるというのが一つです。労働時間の短縮を企業力の低下と結びつけるというところに、マインドセットの問題がありそうです。
聞くところによると早く帰れと言われても家へ帰りたくない、困っている人たちが多いといいます。そういうマインド、生き方そのものを変えなければいけないんだろうなと思います。

北澤
ありがとうございます。では長崎さんに聞きたいのですが、御社の若手の働く時間が短くなると、途端に生産性が落ちるんじゃないかという気がするのですが。
長崎氏

ソフトバンクはもちろん通信事業がメインですが、この10年おかげさまで、スマートフォンの普及と共に大変成長してきました。市場が成長している時はやればやっただけ、量に応じて業績も上がるところがありましたが、市場が成熟してそうではなくなってきたという意識を持っています。ただ新しい事業の種はたくさんあって、AIとかIoT、ロボットなど、新しいテクノロジーや新しいビジネスモデルで勝っていかないといけない。そういうときにはもう量ではなくて質です。まさに転換点にある、というのが今の状況ですね。
働き方改革の機運が高まる半年ぐらい前に、トップがスローガンを出しました。「Smart & Fun!」、つまりITを駆使してスマートに働こうと。ITを使って労働時間を少なくして、創出された時間を新しいこと、あるいは自己成長に充てることができれば、仕事が楽しくなる。この循環が「Smart & Fun!」ということです。これを実現するために、コアタイムを撤廃したスーパーフレックス制度や在宅勤務制度の拡充、自己成長のための支援金1万円の支給、副業の許可など、さまざまな取り組みを実施してきました。そういうイノベーティブ、クリエイティブな働き方になるための施策に取り組んでいます。結果についてはアンケートを採っていまして、「Smart & Fun!」の体現度についての項目では、1年前と比べて7割の人が上がったと答えています。残りの3割をどう変えていくかが、われわれの課題だと思います。

北澤
瀬戸さんにお聞きしたいのですが、伝統的な企業の中で働き方改革を行うとなると、抵抗されませんか?
瀬戸氏

それは人によりますね。たくさんのMRの女性たちが今、結婚、出産というときに来ています。仕事のできる女性部下がこうしたライフイベントに直面しているとき何とかサポートしたいと思う上司も多くいます。こんなに一所懸命家庭と仕事の両立を頑張っているのだから、彼女のキャリアをサポートしてあげたいと。そういう愛がある人は、そこをきっかけに変わってきている。私は一人一人が考え方を変えなければいけないと思っているので、個人のフックを刺激していくのがよいかと思っています。
数字的なことを言うと、例えば去年は有給消化が9.7日でしたが、2017年度は13日にいきそうです。しかも収益が非常に良い結果になりました。今、ITのテクノロジーを入れたものを実験していて、それが根づいてくれば、もっと飛躍的に効率化が進み、結果労働時間が減ると思っています。

北澤
では福島さん、同じ質問ですが、労働時間を短くすれば生産性はどうなるか。いかがでしょうか。
福島氏

ホワイトカラーの働きがい、働きやすさにおいて、労働時間は非常に大事な要素ですけれど、それが全てではない。本質的な課題を抽出しようとしたときに、私がまずやったのは、組織部署ごとの組織風土調査と、組織部署ごとの階層別の労働時間をつき合わせた事です。そうするとまず、仕事の質量の負担感と仕事の総労働時間に相関がない。そして、仕事の士気の高さと仕事の総労働時間にも相関がない、ということがわかりました。そこで、「働きがいも現場の士気も高いまま、会社として皆さんの幸せのために一緒に頑張ろう」というメッセージをして、まずベクトル合わせをした上でKPIを定めました。働きがいのKPIと働きやすさのKPI。例えば働きがいというのは仕事、上司、職場に対する満足度、経営に対する満足度、自分の成長実感、顧客への貢献実感など。ここをとにかくまず大事にしようと。そうすると内発的動機付け、構造を変える上での生産性の向上につながるので、まずここをベースにしました。このKPI上げるために目標を決めて、今全社で取り組んでいる。結果としては増収増益で、総労働時間もだいぶ下がっているという状況です。
もう一つ、総労働時間削減のフローを考えました。一律削減ではなくて、考え方のフローを出すと、現場は大きなお世話だと思いません。自分たちの現場のことを会社はちゃんと分かっていると。そういうところで会社全体でPDCAを回していて、先ほどのKPI向上も組織ごとの団体業績評価の一つの要素にしています。

自立型の人材を育てるための教育は?

パネルディスカッション

北澤
次に教育についてうかがいたいのですが、若手をどう育成したらよいでしょうか。水上さんどうですか?
水上氏

一つは、今までのやり方にとらわれずに、ゼロベースで場を与える方法があります。テーマはビジネスモデルでも、あるいは日々の仕事の進め方でも構いません。例えば海外ではこういう形でこういう進め方をしていますというディスカッションを始めてみる。「日本ではそうじゃないんだけど」といった見方をいったん脇へおいて、自分たちのビジネスをちょっと違う所から見ることができると、違うものを生むきっかけになります。そういうことは、普段の仕事の中で、自然とはなかなか出てきにくい。それをオフサイトでやってみたり、あるいは自社の文化と異なる社外や海外から人を呼んできて、イノベーティブでクリエイティブなディスカッションやワークショップをやっていくといいですね。自分の仕事とはいったん離れて場を見たときに、違う発想みたいなのが出てくるわけです。

北澤
長崎さん同じ質問ですけどどうですか?
長崎氏

はい。当社も他流試合というか、外との交流を作るというのはポイントにあげています。そういう意味で社外交流を推奨し、副業も許可しています。副業の許可は去年の11月からですけれど、今年の2月末時点で申請が200件弱あり潜在ニーズがあるんだなと思いました。プレミアムフライデーについても、引き続き推奨しています。社外との交流イベントとして各社の社員さんに当社の社員食堂に集まってもらって、50人くらいで色々なテーマをもとにディスカッションしたり、ビジネスプランを考えたり。なんか雰囲気いいぞという感じになってきていますね。

北澤
瀬戸さん、自立型の人間を作るためにはどういうようなことが必要だとお考えですか?
瀬戸氏

他流試合という話がありましたけど、まさしくそうで。私がもともと働き方改革をやる意義というのは、社員をエクスターナルフォーカスにするためだと思っています。若手社員の研修で、よその全く違う老舗の会社さん、外資の会社さん、全然違う畑のビジネスをされているところから、同じ年齢の人、男女取り交ぜて、色々な話を会社に来て話してもらいました。話を聞いてものすごいショックを受けている社員も多かった。要は会社の中での出世にきゅうきゅうとして、時間を浪費している場合ではないと気が付いた人が多かった。まさしくそれが狙いでした。そこから一念発起して、英語を勉強して海外事業部に応募したり、デジタル系の社内ベンチャーに応募したりする人が出ましたね。ショックを与えて、どうするかということですね。

北澤
はい。ありがとうございます。では福島さんいかがですか。
福島氏

自立ということに関しては、まず大事なのは採用です。当社の仕事をきちんと理解して、どんなマインドで仕事ができるかがまず採用の基準としてあります。あと若手というお話が出ましたけど、当社では階層別研修を行っています。たとえば入社4年目に振り返り研修を行っていて、自分のキャリアプランを自分で考えようと若手社員全員に実施しています。自分はプロマネ向きか、コンサル向きか、ITアーキテクト向きかを考えて、それを目標、管理、仕組みの中で上司と対話するサイクルをベースとして設けています。
昔は組織的フォローが十分ではなくて、現場には自分で何でもやって勉強して、自分で育っていた人がいたんです。それは旧時代の働き方であって、今は組織として成熟してきているし、一方で色々な新しい技術が出ているわけですから、自分の仕事の中でそうした技術に取り組んだり、自分の興味のあることを勉強して将来の武器にしていけば、新しい時代のスキルが身についていくのだと思います。

北澤
働き方改革を武器にして成長・勉強していかなければならないということですね。パネリストの皆さま、きょうはありがとうございました。ご参加いただいた皆さまもありがとうございます。

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