採用コラム

動機形成できる面接官とは?17新卒採用マーケット

面接は『評価』の場か?『動機形成』の場か?

先日弊社が行った『16新卒採用に関する総合調査』の中で、企業の人事担当者に「自社社員に面接官を担当してもらう上で課題はありますか?」という質問をしたところ、下記のような調査結果が出ました。「課題はない」と答えた企業は12.2%、実に約8割の企業が面接官に何らかの課題を感じているという結果でした。

面接官に対する課題として多かったものは、

  • 1位:合否基準の目線合わせ・・・・・・・・・・59.3%
  • 2位:質問の深堀りができる・・・・・・・・・・35.8%
  • 3位:自社の評価基準に沿った評価ができる・・・32.5%
  • 4位:面接官の役割を正しく認識してもらう・・・25.2%
  • 5位:採用マーケットを正しく認識してもらう・・21.1%
  • 6位:学生からの質問に的確に情報提供できる・・15.4%

1位~3位と人事部の関心の高い課題は、面接における『評価』に関する課題でしたが、興味深いのは4位~6位が「面接官のあり方」につながる課題だったことです。

16新卒採用に関する総合調査 クリックして拡大

16新卒採用に関する総合調査

(2016年新卒採用 企業調査10月:弊社調査資料より)

実際に、ここ最近弊社が面接についてご相談・お問い合わせをいただく際、お客様からは『評価』とともに、学生の志望度を上げることに関する課題が多く寄せられています。今回この調査結果からも、従来の『評価』に加え、新たに『動機形成』が課題としてクローズアップされていることが浮き彫りになってきました。

レジェンダでは、面接は企業と学生の相互観察の場であると位置付けており、その観点から企業にとって大きく2つの機能があると考えてきました。ひとつは企業が学生を『評価』する機能。もうひとつは企業が学生の『動機形成』をする機能です。『評価』については説明するまでもなく、自社の採用基準に合致した人材であるかどうか、企業側から学生を観察し、評価する場という意味です。一方、『動機形成』とは、面接を、学生と面接官(企業の代表者・ロールモデルとして)のコミュニケーションの場ととらえ、面接を通じて、より強く自社に入社したいと思ってもらう、すなわち、志望度を一段引き上げる機能ということです。

16新卒採用の求人倍率は1.73倍(※リクルートワークス研究所調査)と高く、売り手市場の傾向は、引き続き17新卒採用のマーケットでも予想されます。このような採用マーケットの状況においては、企業が面接をいかに『動機形成』の場として活用できるか、ひいては面接官がどれだけそれを実践できるかが、採用の成否を左右する大変重要なポイントとなると考えます。面接官としての要件を考えるならば、限られた時間の中で学生の志望度を引き上げることができるかどうかも、大切な基準になると思います。

さらに、近年、文部科学省がキャリア教育施策を推進してきたという背景もあり、学生は社会に出る前からキャリア論を学習し、職業選択とは、自分がやりたい事と仕事とのマッチングであるという考え方が定着しつつあります。そうした学生からすれば、逆に学生を選ぶことだけを目的とした面接に対して、違和感を抱くのは比較的容易に想像でき、そのような面接を行う企業との意識のずれも生まれるはずです。

『動機形成』につながる面接を行うために

『動機形成』とは、端的に言うと、学生が抱く不安の解消と期待の醸成により、学生にその企業に入りたいと思う気持ちをより高めてもらうということです。

そのためには、まず面接官は社会人のロールモデルとして見られていることを意識し、その上で学生の話を良く聞き、共感を示すことで心を開かせ、学生の不安や期待に答える的確な情報提供をおこなう、といった一連のコミュニケーションが必要になります。

下記は、弊社が実施した学生調査で寄せられた、好印象だった面接とその理由に関する生の声です。ここでは、そのいくつかをご紹介します。

  • 私自身のことをしっかり知ろうとしてくださり、会社での適性と擦り合わせて、私の将来を一緒に考えてくださった為。(日本女子大/文系/女性)
  • 会話のキャッチボールがうまくできたため。自分がアピールしたいことと、相手が聞きたいことが非常にマッチしており、気持ちよくコミュニケーションがとれた。この会社にマッチしているのだと実感できた。(兵庫県立大学大学院/理系/男性)
  • 学生と近しい目線で面接に臨んでくれているように感じた。学生の個性・魅力を引き出すよう努めているように感じた。(早稲田大学大学院/文系/男性)
  • 学生に対して真摯に向き合ってくれ、話を真剣に聞いてくれているのが伝わったから。いくら受験者が多くとも、その分人員を割いていて、人材を大切にしていると感じたから。(早稲田大学/文系/女性)

(2016年新卒採用 学生調査9月:弊社調査資料より)

上記とは反対に、悪い印象を持った面接とその理由もご紹介しましょう。

  • 威圧的で、考え方などを根本から否定する社員が多かった。(大阪大学大学院/理系/女性)
  • 「おまえ」って呼ばれたのは本当にムカつく。(京都大学大学院/文系/女性)
  • 最終面接時に面接官がスマホをいじったり、私の企業選びの軸を嘲笑してきたから。学生の誠意に対して不誠実極まりないと思う。(名古屋大学/文系/男性)
  • 学生の名前を間違える、人事が敬語を会得していないなど一企業としてあり得ない稚拙さだった。(茨城大学/文系/男性)
  • 家族構成や家族の仕事等、選考には関係のないプライベートな質問を多く投げかけてきた。(慶応義塾大学/文系/男性)

上記は、実際に面接現場で起こっている事です。面接の場を、『動機形成』の場として意識して対応している面接官が貴社にはどれくらいいるでしょうか?

面接官のチューニングポイント

では面接官は、具体的にどのようなポイントに注意したらよいのでしょうか。
先述した、『動機形成』につながる3つの課題に沿って解説します。

1. 『面接官の役割を正しく認識してもらう』

応募者を評価するだけではなく、動機形成する事も役割であることを理解してもらう。その上で、自社の採用基準に沿った評価と同時に、動機形成につながるコミュニケーションを行うことがその役割である。

2. 『採用マーケットを正しく認識してもらう』

年々変わる採用マーケットの動向だけでなく、応募学生の教育的背景や志向の変化も考慮し、相手が面接の場に何を期待しているのかを理解する。

3. 『学生からの質問に的確に情報提供できる』

企業のアピールしたい情報を提供することだけでなく、応募者の不安や期待に寄り沿った情報提供が必要。そのためには、事前準備も欠かせない。

これらの課題にしっかり対応できる面接官は、まさに売り手市場に強い『採用の成功に貢献できる面接』を実践できるわけです。これからの企業にとって、このような面接官の養成が採用の成否を左右すると言っても過言ではありません。

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