採用コラム

採用基準の策定~求める人物像か?架空の理想像か?

求める人物像の策定で評価基準整備と一致団結効果も!

13新卒採用も一段落して、次の14採用へ向けた活動を開始している企業も多いと思います。
今回は、採用計画活動で最初に着手する求める人物像について、当社が取り組んだ事例をご紹介したいと思います。
皆さまにとって、求める人物像を定める意義などを感じて頂ければ幸いです。

求める人物像が"いいとこどり"の「架空の理想像」

昨年の夏、金融業界の当社クライアントから、前年度の採用活動について相談を受けました。確認してみると、人事部長が独断で策定した求める人物像が機能していないとのこと。『求める人物像』の要素をもった人物を採用できておらず、またその要素を一つ一つ面接で評価するのが難しいということでした。
求める人物像の要素を確認したところ、13項目にわたる多岐な要素があり、世の中にそれほど優秀な人材はいないのではないかと疑いたくなるものでした。そして、採用担当者の方にこれら13項目の要素全てを満たす人材が存在するのか尋ねたところ、『これまで採用できていないし、社内にも全ての要素を兼ね備えた人材を見たことがない』ということでした。つまり、求める人物像が「架空の理想像」化していたのです。
更に、なぜこのように多岐にわたる要素が必要なのかと確認したところ、各職種や部署により、求められる要素は異なり、全て盛り込むと13項目になったということでした。
例えば、部署をまたぐと、営業は「明朗快活」、審査部は「正確性」など、各部署でも要素が異なるということでした。

インタビューで求める人物像を最適化、
MUST要件は13項目から3項目へ

採用担当者の方から聞いた通り、確かにこの会社は職種自体が多岐にわたっていました。そして、このような状況では、1つの求める人物像を策定すること自体が難しいのではないかと考えました。つまり、部署・職種により必要な要素が異なるため、全ての要素をもった人材を求めている人物像とするのは、現実的ではないと考えました。
また、新人、中堅、管理職などの階層毎に求められる要素も異なるのが通常で、入社前に備えておかなければならない要素と入社後に育成できる要素が、入り混じっていることも想定されました。
そこでまず、必要な要素を最適化するため、幅広い職種・役職の方を対象に全20名、各30分のインタビューを1週間かけて実施しました。
インタビューの結果、20名中18名が新入社員に求める要素は13項目中3項目、中堅、管理職に求める要素は、各職種・部署によりバラバラでした。
この結果から、新入社員に求める要素は3項目と定め、職種・部署を問わず全社で必須である求める人物像のMUST要件としました。そして、中堅、管理職に必要な項目はWANT要件としました。

全部署を巻き込むことで"思わぬ効果"、それは関連者間の一致団結

こうして求める人物像を最適化し、本格的に採用活動を開始することとなりました。
採用活動での求める人物像の活用方法は、大きく2つでした。1つは、MUST要件から作られた求める人物像を、必須の人物像として告知し、各職種・部署によりバラバラであるWANT要件から、様々な人物像を採用することとして、WEB媒体や説明会で訴求しました。
もう1つは、当初の問題であった面接評価が難しいことへの対処として、各選考段階に応じて評価しやすい要素を配分しなおしました。
結果としては、幅広い人材を採用するというメッセージが学生に好評で、多様な学生を集めることができました。また、面接も選考要素の数が適切になり評価しやすくなりました。
しかし、そういった想定内の効果だけでなく、思わぬ効果も得られました。
それは、求める人物像の策定フェーズで採用に関わる複数の部署の方にご協力いただいたことで、これらの部署からの今までにも増して新卒採用活動を強くサポートいただくことができました。結果、各部署から様々なメッセージを配信することに繋がったり、採用に関わる部署の方が求める人物像を適切に理解し、評価の目線が合いやすくなり、評価も納得性の高いものとなりました。

企業には様々な人材と仕事が存在し、それぞれ持ち合わせる要素は異なり、そして求められる要素も異なります。
だからこそ、企業によって最適な求める人物像を吟味して設定しなければ、「架空の理想像」になりやすいと思います。
採用活動が本格化していない今こそ、採用関連者の方とじっくりと求める人物像策定に取り組まれてはいかがでしょうか。

採用支援事業部 K.T

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