労務コラム

これまでの給与計算などの業務フローを踏襲しないでリプレイス?
最適なソリューションを検討!

システムや業務フローなど現環境を見直す機会は人事部門も例外ではなく、法改正や制度変更、生産性向上など物理的要因による割合も多いのではないでしょうか。但し検討機会は数年に一度など、数多く機会が発生するわけではないため、検討に慣れていないお客様からのご相談も多くいただいております。

このタイミングだからこそ現行業務の見直しを含めたやり方や考え方を大きく変えるチャンスと捉え、それらを活かすためのいくつかの視点をご紹介いたします。

本コラムのキーワード

  • 支援サービスレベルを下げる勇気
  • コストダウンと内部統制
  • リプレイス時の留意点

サービスレベルをダウンさせるとは

システムやアウトソーサーの変更は、サービスレベルの向上もしくはコスト削減等、現状を改善することが目的の1つかと思います。実際、お客様からいただくご要望も前のアウトソーサーが行っていた業務範囲やサービスレベルは維持したいというオーダーがほとんどです。

ここで言うサービスレベルとは

  1. アウトソースを受ける人事部門等の担当者へのサービスレベル
  2. 給与計算結果等の最終的なサービスを受ける従業員へのサービスレベル

があります。

近年の人事施策は法改正やトレンドは年々追加されていき、気が付けば労務のやることが膨大になっています。そのため、

  • 本当にそのレベルのサービスが必要なのか
  • その施策により社員の満足度が維持されるのか
  • 社員のモチベーション維持や離職率低減等に寄与するのか

などと整理していくと良いでしょう。

また筆者が以前、海外の方から言われ、ハッと気が付かされたことがあります。

  • 日本のサービスレベル(ミス率の低さや対応範囲等)は過剰である
  • それ故にコストがかかっている。

海外ではしっかりと社員の許容レベルを見極めたうえでサービスレベルを担保しているのです。よって、当社では「新しいサービスはここまでしかできないから」をプラスの方向に変えるべく、過剰サービスが本当に必要なのか?ということを社内に理解を促してもらうようにしております。見合ったサービス範囲とそれによるコスト削減を目指していただくことも1つの視点と考えています。

外に出さない業務を考える

制度設計等の企画や事業部門の人事戦略的サポートなど自部門で取り組みたい業務に専念するため、他の業務はできる限りアウトソースしたいと考えるのは当然かと思います。お客様の多くが、
「どこまでやってもらえますか?(それはいくらになりますか)」
というのが相談のスタート地点になり、自社から外へ出すオペレーション業務を起点に考える視点が主となります。
ここでお勧めしたいのが、

「自社に残すべきオペレーション業務を起点に考える」

です。そうすることによってアウトソースに適さない業務を誤って出してしまうミスが起こりにくくなるのです。
例えばアウトソース対象の業務であっても、その一連のフローを考えた場合、適切な箇所で自社が対応するプロセスを残すことがトラブル防止に繋がるケースが多いからです。
またセキュリティ対策も同様です。給与計算はアウトソーサー側で行い、システムへの社員登録は自社で行うといった形にリスクを分離させることで架空振込を防ぐとともに内部統制を図ることができます。

このようにアウトソース対象の業務であっても、フローの中で特定業務の登録プロセスや承認プロセスを外に出さずに自社へ残すことによって、セキュリティリスクを低減して運営することが可能です。そして、副次的なメリットとしては業務を自社に残すことで支払いコストを下げることもできます。よってアウトソーサーへ何を出すかに重点を置いて考えるのではなく、何を出さないかについてしっかり考えることが重要です。

風呂敷を畳まない

新規でもリプレイスでもそうですが、限られた人員や費用で導入スケジュールを厳守するためには、本稼働の対象範囲をなるべく早くに決定(限定)し、それを遵守することが肝要です。実際に当社の要件定義中でも、商談を重ねていくうちに新しくやりたいこと、やって欲しいことが次々と浮かんで出てきてしまうことがしばしばあります。今まで困っていたことが解消できると期待されているのですから当然かもしれません。

前述のように様々な要件の検討の結果、対象範囲を限定することを「風呂敷を畳む」と言ったりします。プロジェクトの初期に比較的小さな領域を先行稼働させ、成功事例をつくることも大規模なプロジェクトを成功裏に進めていくうえでは重要なアプローチだからです。

最初の対象範囲から漏れたものでも必要な業務は、本稼働後の第2フェーズとして検討/導入されることになります。それは闇雲に対象期間に収まらないから次フェーズに回すというのではなく、
導入期間中に整理した要件を

  • 第1フェーズ(must要件)
  • 第2フェーズ(want要件)

に分けて、本稼働後の実行計画を立案することが重要です。それが難しい場合は、第1フェーズのトラブルシューティング期間と次点の要件を追加する期間についてマイルストーンを置いてスケジュールに盛り込んでおくだけでもかなり違います。畳んだ風呂敷は意識しつつ畳んだままにせず、広げる検討時期を考慮しておくことも重要です。

最後に

多少極端な見方もあるかもしれませんが、筆者のコンサルティング経験をもとにご紹介させていただきました。文中で述べたように、日本は世界的に見ても人事制度が複雑で、あれもこれもと要件を追加した結果、オーバーサービスになりがちです。当社ではお客様のニーズに寄り添いつつ、コストとサービス範囲とその品質のバランスを取るようにご提案しています。

そして、当社の人事管理システム(EHR)とアウトソーシングサービスによるベストなソリューションをスケジュール通りにご提供すべく日々取り組んでおります。システムやアウトソーサーの変更は社内の制度や業務を見直して綺麗に整理できる大きなチャンスです。人事部をはじめとするみなさまの一助になれば幸いです。