労務コラム

管理職への承認フロー集中をBPR~業務改善で効率化

承認フローの「独裁化」を見直し、会社全体の効率化へ

今回は、前回に引き続いてBPR(ビジネス・プロセスリエンジニアリング)を用いた業務改善策をご紹介いたします。
業務改善をする際、詳細な業務フローの作成は欠かせない作業です。当社では、業務改善の際は、まず業務フローをお客様と協力して作成し、あるべき姿を議論し、標準化/共通化を図っていく上での課題を明確にしていきます。

その代表的な課題が、承認者の集中「独裁化」です。

あるべきフローが、業務が滞らせてしまうおかしな現象=「独裁化」

承認者の集中「独裁化」とは、例えば、残業申請から個人情報変更申請、評価、出張等あらゆる業務において、人事部長の最終決裁を必要とするフローになっているケースなどで、まさに全ての業務を掌握した「独裁者」のような状況のことを指します。

勿論、本物の独裁者と違って、こちらの「独裁者」は多忙かつ大変です。企業規模が大きいと、こういった承認行為だけで1日が終わってしまいかねません。また、承認が遅れると、全体としての業務スケジュールに遅れが生じてきます。

とはいっても、紙運用の場合などでは、柔軟に対応している場合があります。人事部長の承認といっても、担当者が案件によっては事後確認で進めていたり、人事部長もまとめてチェックを後からするなど、承認フローが実質的には形骸化していることも多々あるからです。(あまり公にはできないのですが。)

しかし柔軟に対応したことが、後のミス等に繋がる場合も多々あります。会社としての職務分掌等の定義やコンプライアンスの観点から見ても、きちんとした手続、決裁を経て業務遂行を行う事は大事なことです。
だからこそ、あるべき業務フローを作成していくと、要所に部長決裁が入ったフロー図が作成されてしまうのです。

こうして、あるべきフローで業務を行うと、逆に現場の業務の流れを悪くしてしまうというおかしな現象が発生するのです。

独裁化を排除するための4つの問いかけ

このようなケースでは、以下の問いをお客様に投げかけながら、業務を整理していくことにしています。

1. その承認では、どんな時に「否決(非承認)」が行なわれるのか?

「否決」がありえない承認が承認フローとして残っている例は多々あります。このような場合は、承認ではなく、事後にその承認情報を参照できる権限を与える方法を考えるのが得策です。

2. その承認は、機械的に行うことはできないか?

出張旅費の請求、通勤経路の申請等、ルールが厳格に決まっており、人による判断の余地がない承認行為というものも多々あります。システム化あるいは業務担当者への権限移譲を考えるべきです。

3. その承認は、承認者が判断をしているのか?

形式上の承認者は部長でも、担当者が細かいチェックをしてOKを出した後の確認という位置づけのものも多くあります。この場合、担当者に承認権限を委譲できないかを検討します。

4. その承認は、事前に承認する必要があるのか?事後承認での運用にはできないか?

言い換えると、担当に承認権限の委譲をした上で、現承認者は、監査的な位置づけで承認結果をまとめて定期的にチェックし、必要であれば撤回を行うというフローです。権限委譲を行う場合に、その正当性を確保するために、このような対応を付け加える事があります。

ちなみに、4の問いはいきなり投げかけると流石に『その通り』という結論にはなりにくいです。4は、1~3までの問いかけをして、『従来どおり承認が必要』となった業務について、再確認の意味で問いかけます。

適切な絞り込みや権限移譲を行った承認フローで
会社全体の効率化に繋げる!

承認フローを最適化することの効率化は、非常に大きいものです。
ここでの注意点は、承認プロセスの効率化は、承認そのものの形骸化を目指すわけではないということです。承認を適切に行うために、対象の絞り込みや権限移譲を行うのです。そして、結果として残った承認については、業務の正当性を確保する為にも、従来以上にきちんと行うプロセスに生まれ変わるのです。

あなたの身の回りに「独裁者」はいませんか?
その方の肩の荷を少し軽くする工夫が、会社全体の効率化につながるかもしれません。

管理部 マネージャー K.S

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