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全国の人事パーソンへのメッセージ

人事部長の想い切りトーク

Vol033想い切りトーク

人事は「チェンジエージェント」であれ。バズワードに惑わされない、真の人事とは

取材日: 2024年12月27日

※会社名・役職等は取材当時の名称を掲載しております。

人材の専門性と技術力を重視し、サイバーセキュリティを主力とするITソリューションを展開するテクマトリックス株式会社。同社では「オープンな議論を交わし、全員がチームの成功と成長にコミットする」という行動指針のもと、独自の人事施策を展開している。2023年7月に人事部長へと就任した沢口昌裕氏に、人事部門の取り組みや目指す姿についてお話を伺った。

PROFILE経験を重ねて見えてきた、人事の醍醐味

  • まず、これまでのキャリアについてお聞かせください。

    2001年に新卒で広告系の会社に入社し、そこで丸3年営業を経験しました。求人媒体の営業やリクルーティングサイトの企画提案、SESの営業など、様々な仕事を担当しましたね。当時は就職氷河期で大変な時期でしたが、ご縁がありその会社に入社しました。今にして思うと上司にも恵まれ、ずいぶんと鍛えられたように思います。

  • キャリアの転機となったのは、どのような経験だったのでしょうか?

    2004年にレジェンダへ転職したことが、大きな転機でした。そこで初めて企業の人事部門と深く関わる仕事に携わることになったんです。特に印象に残っているのが、ある企業の採用支援をさせていただいた時の経験です。内定式が終わった後、先方の担当者から「沢口さんのおかげでいい人が採用できました」と言っていただいた時に、本当に心が震えました。それまでとは違う、人と組織に直接貢献できる喜びを感じたんです。

    さらに人事としての経験を積むべく、2007年にテクマトリックスに転職しました。当時は300人規模の企業で、人事の実務的な経験を幅広く積める環境だと考えたのが入社の決め手です。その後、社内で人事の経験を積み、2023年7月から人事部長を務めています。

  • 人事部長就任から1年半が経ちましたが、この期間で気づいたことはありますか?

    就任当初は実務からの物理的な距離に戸惑いがありましたね。時には、細かいところまで口を出してしまい、メンバーの自主性を奪ってしまうこともありました。部長という立場は、意見を言い方次第では、それが組織にとっての決定事項になってしまうんです。そうしたことが続くと、メンバーが「どうしましょうか」と指示を仰いでくるようになってしまい、これは良くないと気づきました。

    組織としての強さを育むには、メンバー一人ひとりが自分で考え、行動できる環境をつくることが大切です。そのために、自分の価値観や経験だけでなく、メンバーの自主性を重視し、大きな方向性を示すことに徹するようになりました。この1年半で、我慢することも覚えましたし、メンバーの力を信じることの大切さも実感しています。人事部長として、組織を導きながら、一人ひとりの成長を支援していくという関わり方を心がけています。

MISSION オープンな対話から始める、全員参加型の組織づくり

  • テクマトリックスならではの特徴的な人事施策について教えてください。

    最も重視しているのが「学びの文化」の醸成です。社員個人に一定の予算を割り当て、必要な研修を自由に選択できる制度を設けています。これまでは技術職限定でしたが、今年度から営業職やスタッフ系の職種にも拡大しました。これは単なるスキルアップのためだけではなく、社員一人ひとりが自律的に成長していける環境づくりを目指したものです。

    また、情報のオープンな共有も特徴的な取り組みといえるでしょう。月に1回行っている朝会では、経営指標や事業状況を全社員に共有し、各々が当事者として仕事に取り組める環境づくりをしています。その場では各事業部からの報告だけでなく、人事からも労務状況や制度の利用状況なども共有し、組織の現状についても皆で認識を合わせています。

  • 人事部として、組織の課題をどのように把握されているのでしょうか?

    弊社では四半期に1回、経営層や事業リーダーと組織・人材について話し合う場を設けています。その中で人事の定量的なデータを共有し、現場の課題や要望を直接聞いています。最近では組織サーベイも実施し、会社の知名度や帰属意識に関する課題を明らかにしました。

    データを集めることももちろん重要ですが、それが真の目的ではありません。社員の皆さんが自主的に動き、課題を見つけ、解決策を考えていけるような文化をつくることです。実際、今回行った組織サーベイでは、実施から結果の共有、改善策の検討まで、メンバーが主体的に取り組んでくれています。

  • なぜそこまで情報共有と主体性を重視されているのでしょうか?

    私は、社員が自分の仕事の使命や意義、会社への貢献を実感できることが、最も重要なエンゲージメント要因だと考えています。単に福利厚生を充実させるのではなく、自分の力を発揮し、それが組織に認められる。そうした関係性を築くことが、真のエンゲージメントにつながると考えています。特に私たちの会社では、技術力と専門性が非常に重要です。だからこそ、個々の社員が自分の強みを活かし、主体的に成長していける環境が必要不可欠と考えています。

MESSAGE 当たり前のことを当たり前にする、これからの人事のあり方

  • 今後の事業展開について、どのような展望をお持ちですか?

    弊社は現在、サイバーセキュリティを主力に、コンタクトセンター向けCRMパッケージや学校向けの校務支援システム、ソフトウェア品質保証など、それぞれ専門性の高いソリューションを提供しています。今後は、これらの分野でさらなる成長を目指すとともに、海外の最新テクノロジーを積極的に取り入れていく方針です。例えば、コンタクトセンター向けパッケージでは、国産システムとしてはトップシェアを獲得していますが、海外の大手プレイヤーとの競争が激しくなっています。そのため、最先端のテクノロジーを製品に実装し、競争力を高めていく必要があります。

    また、人材面では新卒採用を強化していく予定です。現在20名程度の採用数ですが、今後、採用規模を増やすことを検討しています。DXやAI化が叫ばれる現代では、あらゆる業界で技術者の獲得競争が激化していますが、優秀な人材の確保・育成に注力していきたいと考えています。

  • 人事部門として今後重視したい取り組みについて教えてください。

    近年、人事の領域では新しい手法や概念が次々と登場しています。人的資本経営、エンプロイーエクスペリエンス(従業員体験)やジョブ型雇用など、様々なワードが飛び交っていますが、それらに振り回されるのではなく、本質を見極めることが重要です。

    働き方改革や女性活躍推進といった施策も、単なる数値目標達成のためではありません。なぜその施策が必要なのか、どんな価値を生み出すのか。私たちが目指すのは、社員一人ひとりが最大限に力を発揮できる環境をつくることです。そのために、制度や仕組みを整えていく。そういった本質的な視点を忘れないようにしています。

  • 最後に、人事に携わる方々へのメッセージをお願いします。

    人事はこれまで、失敗が許されないような保守的な立場とされてきたように感じています。しかし、これからは人事こそが変革に挑戦する必要があります。自ら新しい取り組みを実践し、時には失敗も経験しながら、組織全体の成長をリードしていく。そんな「チェンジエージェント」になることが求められていると考えています。結局のところ、働いている人が幸せを感じられる会社であることが、究極的な目標ではないでしょうか。そのためには、すべての社員が誇りを持って働き、その努力が正当に評価される必要があります。そんな当たり前のことを当たり前にできる組織づくりが、これからの人事に求められているのだと思います。

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