採用代行(RPO)は、採用業務の一部や全部を外部の専門業者に委託するサービスです。
少子高齢化が進むなかで、自社に必要な人材を効率的に採用する難しさは増しており、さらにダイレクトリクルーティングなどの採用方式の多様化によって、これまでより人事担当者にかかる負担が増加しているため、採用業務を委託する採用代行サービスの利用が一つの選択肢となっています。
本記事では、採用代行(RPO)の市場規模の現状や将来性、利用する企業側のメリットとデメリットなどを解説します。
採用代行サービスの利用を検討している企業様にとって、より理解を深めるための参考になるでしょう。
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採用代行(RPO)とは、企業が自社で行う採用活動を外部の専門業者に委託するサービスです。
最近では、多くの企業が採用代行サービスを利用しており、市場も拡大しています。
特に2021年度の採用代行市場は、628億円という規模に達しました。
採用代行の市場は2020年度の546億円から15%の増加を示しており、市場が大幅に成長していることを示しています。
参考:採用アウトソーシング市場に関する調査を実施(2022年)|株式会社矢野経済研究所調べ
成長の背景には、新型コロナウイルスの影響が大きく関わっています。
2020年度にはコロナ禍の影響で経済活動が落ち込み、採用市場も一時的に縮小しましたが、その後リモートワークなどの新しい働き方が定着し、企業の採用活動が再び活発化しました。
採用代行サービスの将来性は非常に明るい と考えられています。2017年度から2021年度の間に、人材採用の市場規模は約150億円拡大しており、この傾向は今後も続くと予想されています。
これには、社会的な要因が影響しています。
大きな要因は、日本の少子高齢化による労働力人口の減少です。少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口(15~64歳)は、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれています。
労働力人口の減少により、採用の売り手市場が加速しており、企業は限られた候補者の中から最適な人材を確保するために、競合他社との獲得競争を行わなければならなくなっています。人材獲得競争が激化するほどに、企業は採用活動の最新化や改善を図る必要に迫られます。
また、企業が求職者に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」のような新しい採用手法の誕生、SNS採用など、さまざまな戦略が普及しています。特に若い世代はインターネット環境が整備された社会で成長し、働き方の価値観にも変化がみられ、これまでやってきた採用活動では対応しきれなくなっています。
年々、採用業務の専門性が高まっており、採用代行サービスの需要を後押ししています。
レジェンダ担当者のコメント
コロナによる採用縮小がありましたが、回復傾向にあり、再度採用意欲が高まっている状況です。
一時的に止まっていた採用の急な拡大により体制が追いつかず、ただでさえ煩雑な採用業務も伴って、求職者と向き合う時間を捻出できていないことや、自社の魅力を十分に訴求できないなどの課題を持っている企業人事・採用担当者が増えています。
採用代行(RPO)の将来性に関する詳細はこちらをご覧ください。
>> RPOの将来性は?今後成長が期待される理由を採用代行の市場規模から解説
採用代行(RPO: Recruitment Process Outsourcing)とは、企業が自社の採用業務の一部または全部を外部の専門業者に委託するサービスです。
自社内に採用に関するノウハウが蓄積されていない場合や、より効果的な採用手法を導入したい企業にとって非常に有効です。
一般的に、採用代行に依頼できる内容は以下の通りです。
採用代行(RPO)を利用すれば、上記らの業務が専門家によって効率的かつ迅速に行われるため、企業はより優れた人材を確保できます。
また、採用代行業者は最新の採用トレンドや技術を常に把握しているため、市場の変化に迅速に対応した、最適な採用戦略の立案と実行が可能です。
上記により、企業は競争が激しい人材市場でも優位に立つことができます。
採用代行(RPO)は、サービスを利用する企業の人事部門の業務負担を軽減し、より戦略的な人事管理を行えるよう支援するため、採用の質が向上し、企業全体のパフォーマンスの向上にもつながります。
採用代行に関する詳細はこちらをご覧ください。
>> 採用代行とは?業務内容・人材紹介の違いから利用のポイント7選を解説
採用代行(RPO)を活用するメリットには、以下の3つがあります。
サービス利用に際して、自社の採用目標達成に活用できるかチェックしておきましょう。
採用代行を導入する最大のメリットは、人事部門の業務負担を軽減し、従業員がコア業務に集中できるようになる点です。
採用活動は、求人の作成から応募者管理、面接の調整までと多くのステップがあり、非常に長い時間を要します。また、各タスクが採用の成否に直結するため、細心の注意を払う必要があるため、人事部門のリソースを大きく消費します。
採用代行サービスを利用すれば、時間が必要なノンコア業務を外部の専門業者に委託できます。
社内人事は、候補者とのコミュニケーション回数を増やしたり適切なフィードバックを図ったりなど、採用CX(候補者体験)の向上を行うことができます。また、戦略的な業務や従業員の育成、組織文化の強化など、コア業務に専念でき、戦略的な人事管理が実現し、企業の成長を加速させられます。
採用代行(RPO)という専門家の活用によって、優秀な人材の取りこぼしを防止できる メリットもあります。
採用プロセスの関連業務は多岐にわたり、応募者の選定や面接は重要なステップです。
しかし、企業内部の人事担当だけで上記らを行うと、経験不足や時間的制約から適切な人材を見逃してしまうリスクがあります。
採用代行サービスは、人材採用の専門知識と豊富な経験を持つプロが担当するため、応募者の能力や適性を正確に評価できます。
また、最新の採用トレンドに敏感であり、変化するニーズに応じた採用戦略を提案できるため、企業にとって必要なスキルセットを持つ人材を見逃しません。
RPOの利用によって採用の質が向上し、企業は優秀な人材を獲得しやすくなります。
自社で採用に関するノウハウが不足していると、工数が増えて採用コストが必要以上に高くなることがあります。
例えば、求める人物像に対して、利用する媒体は変わるため、そこにミスマッチがあるとターゲットではない候補者の対応に追われ、費用も時間も無駄にしてしまいます。
採用代行を利用すれば、専門家がスピーディで精度の高い採用活動を行うため、時間や費用面での無駄を削減し、採用コストの適正化を図ることができます。
採用代行の活用によって、結果的に採用活動に必要なコストを削減することも可能でしょう。
さらに、適切な人材採用によって定着率も向上し、追加での採用活動なども防げるため、企業財務にとっても大きなメリットとなります。
レジェンダ担当者のコメント
より良い求職者を採用するために、昨今、採用担当は採用ポジションへの深い知見やマーケット情報の理解が求められており、現場社員だけでなく、採用担当自身がそういった情報を持っていることで、求職者のグリップが高まります。
弊社は多種多様な採用をご支援しており、採用ポジションに対する深い理解と、データドリブンや高速PDCAによる、提案型の採用代行サービスを提供し、半歩先から顧客の採用活動をリードしています。
採用代行(RPO)を利用することでさまざまなメリットを受けられますが、以下のデメリットがあります。
採用代行(RPO)の効果を最大限に高めるためにも、デメリットを把握して対応について考慮しておきましょう。
採用代行サービスの利用にはコストがかかります。専門業者に採用プロセス全体やその一部を委託する際には、サービスに対して委託工数に応じた料金が発生します。
また、採用代行(RPO)に採用を委託するためには、どのような人材を求めているのか伝える必要があり、自社内で希望人材の要件(採用要件)をまとめることは、工数・コストの増加につながります。
採用代行(RPO)の利用によって、企業が自社で採用活動を行う場合と比較して短期的に費用増加が予想されるため、長期的なリターンを考慮して費用対効果の事前検証を行いましょう。
採用業務を外部の専門業者に委託することで、募集人材の認識のズレによるミスマッチが生じる恐れがあります。
企業と採用代行業者間でのコミュニケーションが不十分であると、求める人材像や業務内容に関する誤解が生じ、最終的には企業のニーズに合わない人材が採用されるリスクがあります。
ミスマッチを防ぐためには、採用プロセス開始前に求める人材の要件を伝え、お互いにすり合わせしたうえで開始し、開始後も定期的な進捗確認とともにフィードバックを行うことが不可欠です。
採用代行業者との密接な連携を心がけ、双方の認識を常に一致させるように心がけましょう。
採用のミスマッチ低減に関する詳細はこちらをご覧ください。
>> 採用のミスマッチを減らす「価値観」のすり合わせ
採用代行サービスを利用するもう3つ目のデメリットは、採用に関するノウハウが社内に蓄積しにくくなる点です。
採用業務を外部に任せると、社内の従業員が人材採用に関する経験や知識を得る機会が減るため、自社の採用スキルや知識の蓄積が進まない可能性があります。
対策として、代行業者の考え方や判断基準を学ぶために、進捗情報などを定期的にレビューする会議などを実施しましょう。
社内のスタッフを採用プロセスに参加させ、業務経験を積む機会を積極的に設けたりすることも大切です。
レジェンダ担当者のコメント
現場社員を巻き込めず、協力関係を築けていない採用活動になっているケースがあります。
当社がご支援している企業の内、中堅~大手の企業で散見される課題であり、採用成果にも影響することはもちろんのこと、現場社員との関係性構築からスタートになってしまうため、採用活動全体のスピード感も落ちてしまいます。
採用代行のメリット・デメリットに関する詳細はこちらをご覧ください。
>> 採用代行(RPO)のメリットとデメリット!選定のポイントや事例も解説
採用代行(RPO)の利用を検討している企業さまからのよくある質問について、以下3つの回答を紹介します。
A:人事代行は採用業務を含む全般的な人事業務を代行するサービスですが、採用代行は採用活動に特化しています。
人事代行サービスでは、採用だけでなく、労務管理、給与計算、従業員研修など、人事部門の業務全般を代行します。
上記は、特に人事専門の知識が必要な業務や、エラーが多発している場合、また業務がや、属人的になっている場合などで有効です。
一方、採用代行は、求人広告の作成、応募者のスクリーニング、面接の実施といった採用プロセス全般を専門業者が行うサービスです。
採用の効率化や採用品質の向上を目指す企業に適しており、特に採用期間中の人事部の負担を軽減することが目的です。
このため、採用活動に集中したい企業や、高い採用スキルを求める場合に採用代行(RPO)が選ばれます。
A:採用代行は採用プロセスを代行するサービスですが、面接代行はその一部である面接プロセスだけを代行します。
採用代行(RPO)は、求人広告の作成から応募者の選定、面接の実施、最終的な採用決定までの一連の採用プロセスに対応しており、利用者はその全部、または一部を採用代行に委託できます。
面接代行は、採用プロセスの中でも特に面接に焦点を当て、面接の計画、日程調整、試験実施などを行うサービスです。
面接代行を利用すれば、企業は面接のスケジューリングや面接官の育成といった負担から解放され、より効率的に採用活動に取り組めます。
採用代行が人材採用の活動全般を対応しているのに対し、面接代行は特に面接の質と効率の向上に特化したサービスです。
採用代行と面接代行の違いに関する詳細はこちらをご覧ください。
>> 採用代行と面接代行の違いは?4つのメリットや利用の流れ・選定ポイントまで解説
A:当社の採用代行サービス「変革RPO」がおすすめです。
レジェンダの採用代行サービス「変革RPO」は、企業の変革を目指す組織に対して、必要な人材の明確化から採用活動の効率化、組織の成長支援までをトータルで提供します。
レジェンダには100名以上の経験豊富なコンサルタントが在籍し、700社以上の支援実績があり、リピート率は90%以上です。
また、グローバル化、デジタル化、少子高齢化といった社会の変化に適応した多様な採用支援を行っており、企業が直面する課題に対応するための戦略的なアプローチを提供しています。
採用代行会社の選定ポイントやおすすめの会社に関する詳細はこちらをご覧ください。
>> おすすめ採用代行(RPO)会社11社を徹底比較|導入すべきケースや選定ポイントも解説
採用代行(RPO)は、採用活動を外部の専門家に委託するサービスで、市場規模は以下のように拡大しています。
人材採用の市場規模の拡大は、今後も継続していくと予想されています。
競合他社との人材獲得競争は激化により、採用戦略は最適化が求められています。
そのようななか、ダイレクトリクルーティングの普及など、採用方法の多様化によって採用担当者の負担が増加しているため、採用活動の全部、または一部を委託できる採用代行サービスのニーズは高まり続けています。
今後も、採用代行を導入し、採用強化を図る企業が増えていくことが見込まれるため、競合他社に負けないためにも、早めに採用代行の導入を行い、採用強化を行っておくことをお勧めします。
レジェンダの採用代行サービス「変革PRO」では、100名以上の経験豊かなコンサルタントが採用プロセスの業務委託を対応しています。
採用活動の効率化を図りたい企業は、レジェンダまでお問い合わせください。
この記事の監修者
山本 浩平
採用支援事業部
■経歴
2015年4月に新卒で入社して以降、通年新卒採用の立上から、理系の厳選採用、年間500名の中途採用などをプロジェクトマネージャーとして幅広く担当。 大手~スタートアップの複数企業でリクルーターやバックオフィス統括、面接官などを一通り経験した後、現在は事業企画のポジションにて、新規プロダクト・サービスの企画/開発に従事。
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