歩留まりとは、製造業界での生産効率、営業活動の成約率など、さまざまなビジネスシーンで使用される指標です。採用活動でも、採用プロセスの各フェーズの歩留まりを算出し、課題を抽出する活動が欠かせません。
本記事では、採用における歩留まりの計算方法や各フェーズの歩留まり低下の原因、対策方法などを詳しく解説します。
採用活動の課題が明確になっていない企業にとって、採用活動の問題点の洗い出しとその対策について理解が深まるでしょう。
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資料を受け取る採用における歩留まりとは、採用プロセスの各フェーズで、次のステップに進む応募者の割合を示す指標です。ここでは、以下2つの詳細を解説します。
歩留まりとは、もともと製造業などで使用される用語で、「投入した原材料に対する完成品の割合」や「生産品全体における良品の割合」を指します 。例えば、100個の原材料を使って80個の良品を作った場合、歩留まり率は80%と算出できます。
歩留まりは「全体に対する成果の割合」を表すため、製造現場だけでなく以下のようなビジネスシーンでも重要視される指標です。
歩留まりを算出することで、全体の成果率や効率の評価がしやすくなるだけでなく、各段階でのプロセス改善に役立つデータが得られます。
採用歩留まりとは、採用プロセスの各フェーズを通過した人数の割合を示す指標で、採用活動の効率や課題を可視化するために活用されます。
例えば、説明会参加者で選考に進んだ人数や、面接参加者数に対する内定者数などがあり、歩留まり率が高いほど通過者が多いということを表しています。
採用歩留まりから採用プロセスの各フェーズでの選考難度の高さや課題を把握でき、改善に向けた具体的な対策を講じるべきかを判断する材料になります。
例えば、内定承諾率が低いと判明すれば、内定者同士が交流する機会の創出や、内定理由のフィードバックなど、より内定者の入社意欲を高める改善策を立案できるでしょう。
レジェンダ担当者のコメント
採用活動の「歩留まり」とは、応募から選考(書類選考、1次~最終面接、内定、入社)までの一連の選考プロセスにおける、次プロセスに進んだ人数の割合です。
たとえば、1次選考に100名が参加し、次の2次面接に50名が参加した場合の歩留まり率は50%になります。
一般に、歩留まりが大きいほど効率的な採用活動ができていることになりますので、自社の採用活動を振り返ったり、課題を抽出したりするのに有効なデータとしてよく取り扱われるものです。
採用における歩留まりの具体的な指標と計算方法は、以下のとおりです。
受験率=受験者数÷エントリー数×100(%)
通過率=通過者数÷参加者数×100(%)
辞退率=辞退者数÷参加者数×100(%)
内定率=内定者数÷就職希望者×100(%)
これらの指標を算出することで採用活動の課題を明確に、改善に取り組みます。
なお、新卒採用と中途採用のように採用フローが異なる採用活動は、それぞれで歩留まりを計算し、個別に評価する必要があります。
また、歩留まりの値は、企業ごとの採用ニーズや選考内容に左右されます。他社の歩留まりを参考にしたいという声を聴くこともありますが、自社の採用活動に応じた適切な目標値を設定し、進捗を管理しましょう。
自社の歩留まり評価には各フェーズの専門的な分析が必要で、最適な目標設定には外部の採用専門家の活用が有効な場合があります。
レジェンダ担当者のコメント
企業の採用担当の方から「どれぐらいの歩留まりが望ましいのか」「ほかの会社はどれぐらいなのか」「歩留まりの平均値は?」などのお問い合わせをいただくことがあります。その回答に窮することが多いのですが、それは選考プロセスにおける歩留まり率はその企業の採用戦略に基づく成果の表れであり、他社との比較はあまり意味を成さないからです。
たとえば、同じ採用予定人数で活動していても、「できる限り多くの人に会ってより多くの人から人材を採ろう」とする企業と、「採用担当の人数が限られていて採用実務にかける労力が不足しているので、できる限り少人数の中から内定者を選びたい」とする企業とでは集める人数も合格率も全く異なります。
仮に選考合格率の平均値が80%だという数字が存在していたとしても、その数字に捕らわれてしまい、自社の採用戦略を考慮せずに80%という数字を目指すという行動をとってしまうようでは、採用成果は期待できません。
とはいえ、採用計画を立てるにあたって何らかの「基準」が欲しいというお気持ちもよくわかります。
何かの比較を軸に各選考プロセスの歩留まり率を想定するのであれば、過去(前回)の自社の実績を材料に、するとよいでしょう。そこから採用活動で問題だった部分は何か、何を修正するべきかを検討したうえで、その補正を行うとよいでしょう。
たとえば、昨年の採用活動で各選考プロセスでの合格率が、1次面接30%、2次面接80%、最終面接50%だったとしましょう。
この数字になった原因は様々な要因が考えられるでしょうが、1次面接と2次面接の合格率の差が大きすぎることは問題になりそうです。
原因を検証すると、「応募を集めすぎたので1次面接で絞らざるを得なかった」「1次面接で十分絞ったので2次面接では落とす対象がいなかった(1次と同じ選考しかできていなかった)」「結果、最終面接では貴重な上位役職者の面接時間をもらったのに半数もの人数が不採用になった」などというシナリオが想定できます。
そのため適正な母集団数を集めることで1次面接の歩留まりを上げ、そのことで2次面接の選考精度をあげることで歩留まりを押さえ、最終面接に送りこむ候補者の質を上げる、というようなプランが想定できます。
すべての選考を、昨年実績を平均化した合格率53%にすればいいかというと、そういう話ではないということがお分かりいただけると思います。
このように採用活動のプロセスで発生している問題を捉え、それをどう変化させることで採用計画を修正すればいいのかを検証するのに、過去の実績はたいへん有効です。こちらを活用して本年の採用計画を立てることで採用課題にダイレクトに届く有効な策を講じることが可能になります。
なお、各選考プロセスの歩留まり率は「参加率×合格率」で算定されます。全社の参加率は応募者の志望度に影響するためなかなかコントロールは難しいですが、少なくとも80%程度は維持することを考えていきたいところです。
ここに選考合格率70%を掛け合わせると56%の歩留まり率。
なかなか合格率70%という高い水準を維持することは難しいこともあり、参加率も掛け合わせて採用計画を立案する際には歩留まり率50%を目指していただくようお願いしています。
このように過去実績に基づく採用計画の立案は、各採用戦略と密接にかかわる点であり、第三者的立場として客観的な視点での課題形成とナレッジの提供は当社が多数実績を持ち、また得意とする分野になります。
状況の分析から一緒に進めることが効果的ですので、採用がうまくいかず、その原因がはっきりしない段階からでも結構ですので、採用効率を最大限に高めるための歩留まりの評価や、適切な採用計画の立案については、ぜひ当社にご相談ください。
採用歩留まりに影響を与える要素は、以下の2つです。
ここでは、2つの要素に着目して、採用フェーズごとに歩留まりが低下する原因と対策法を解説します。
なお、採用歩留まり値に基づいてより効果的な採用業務を行おうという場合は、専門家に相談するのも効果的です。歩留まりの情報に加え、以下のような要素も加味した採用計画の立案を進めることができるからです。
採用歩留まりの原因分析方法や具体的な対策法がわからない場合は、専門家への相談を検討しましょう。
応募から書類選考までのフェーズは、まだ十分に自社への志望度が上がっていないため、特に歩留まりが低い傾向があります。
求職者も多忙であることが多く、少しでも自分に向いた企業でかつ条件が良い会社がほかにあれば、選考を辞退するケースも少なくありません。
このタイミングで求められる提出物が多かったり、手間のかかる準備を要求してしまうと、それも応募を辞退する理由になりかねません。
応募から書類選考までの歩留まり低下の原因と対策方法を解説します。
① 採用活動が進むと、どうしても選考中の応募者への対応が優先され、新規応募者への対応優先順位が下がりがちです。面接官から「この人物は優秀なのでぜひ採りたい」と言われたら何を差し置いてもその対応を優先したくなりますし、そうすべきです。その結果、新規応募者の対応まで手が回らなくなり、初期回答が遅くなってしまうことがあります。せっかく応募したのになんの返信もないのでは、あまり大切にされていないと感じてしまいますし、魅力的な他社があればその企業を優先することになりかねません。
② エントリーはどの会社でも同じような簡易な仕組みになっていることが多いのですが、その次のプロセスである「本エントリー」や「応募」といわれるプロセスは各社によってまちまちであることが多く、たとえばエントリーシートの提出を求めたり、適性検査の受検を案内したりします。その手続きや対応期限のアナウンスがわかりにくかったり、不親切だったりすると、それだけで応募意欲が一気に減退してしまうことがあります。
③ 上記に加え、実際の内容も手間がかかる場合も参加意欲を減退させます。複雑なエントリーシート項目、準備に負担のかかる書類を最初から求めるなどが一例です。
④ エントリーや初期応募は、一定のキーワード(たとえば、法人営業など)で複数の企業に申し込みをすることが多いため、実際の企業情報に触れるとどの会社も同じに見えてしまうことがあります。せっかく多くの企業から選ばれて応募に至っているわけですが、それだけではまたスタートラインにも立てていないことを認識する必要があります。
⑤ ④のようにほかの会社との違いが明確でない段階では、連絡が早い企業から優先的に訪問し、ある程度訪問の予定が決まると、それ以上の活動を控える場合があります。応募者の志望度に大きな差がないにもかかわらず、ほんのわずかの連絡の遅れで選考参加機会を失い、辞退につながってしまうようなこともあるのです。
書類選考までの参加率を向上させるには、以下の3つの対策を検討しましょう。
まずは、応募者が手軽に応募できるように、応募フォームの項目や提出書類の簡素化などが有効です。そのうえで、せっかくの応募意思を尊重し、できる限り早いタイミングで返答を出すなど、良質な応募者コミュニケーションができる体制を整えましょう。自社内で体制を整えることが難しい場合は、RPOの利用も効果的です。
また、自社の魅力を応募者に伝える際は、従業員のインタビューや働く様子をSNSや動画で紹介するなど、候補者が働く姿をイメージできる施策を行うと応募意欲が高まります。また、募集要項やスカウトメールなどでも、積極的に自社の魅力を伝えることが大切です。
他社との差別化では、社風や働きやすさ(フレックスタイムや在宅勤務の導入など)の訴求も行い、自社の魅力を強調しましょう。
書類選考の合格率が低い原因には、以下の4つが考えられます。
① 書類選考は限られた情報の中での評価になりますので、判断基準があいまいだと選考官の属人化か進む懸念があります。一方で、書類選考基準を明文化する事例もありますが、表面的な点(実務経験2年以上、〇〇資格保有など)に陥ることも多く、効果的な基準策定は比較的難度が高いといえます。判断にブレが起こらないよう、書類選考を行う関係者の評価スタンスを一定水準以上に整えておく必要があります。
② 応募者は募集要項を見て「こういう仕事の募集」だということを把握・想定したうえで、その職務内容や募集条件に合致すると考える内容を書類に記載してくるはずです。もし応募書類に書類選考を行うのに十分な情報がなく、判断が難しいという場合は、募集要項の記載に問題がないかを見直すと良いでしょう。
③ 言うまでもなく、採用活動は複数の社員がかかわって進められます。選考の合否をつける関係者の目線がバラバラでは効果的な採用活動は進められません。書類選考官同士の目線も重要ですが、次選考である1次面接官との目線合わせも重要です。「なんでこんな人を書類選考で上げてきたの?」というような話をされてしまうと、書類選考をポジティブにとらえる意識が抑えられ、歩留まりを悪化させる要因になる場合があります。
④ 書類の体裁や人物評価の本質ではない点ばかりにこだわり、重箱の隅をつつくような合否になっている場合があります。もちろん、あまりに多くの誤字や文章力に懸念がある場合はそれをもって見送りの判断を行うことも否定されませんが、人物評価の本質を見失わないような選考のスタンスを持ちたいところです。
合格率低下への対策には、以下の3つを考えましょう。
求人票の内容を見直し、応募者が求められている経験やスキルを理解できれば、より適した人材が応募し、合格率の向上につながります 。
また、評価基準を明確化して関係者間で共有すれば、選考の一貫性と評価の公平性が保たれ、判断のばらつきが減ります。
さらに、募集要項と評価基準を定期的に見直すことで、求める人材像が業界の変化などに適応でき、選考基準を最適な状態に保てます。
書類選考から面接への歩留まりが低下する要因として、書類選考のみでは応募者の能力や人柄を十分に評価しきれない点が挙げられます 。その結果、書類選考で高評価でも面接で不合格となり、歩留まりが低下する可能性があります。
また、採用担当者の面接までの日程調整などの連絡対応や、面接本番での態度、面接後のフォローなども歩留まり率に影響を与えます。
ここでは、書類選考から面接までの歩留まり低下の原因と対策方法を解説します。
面接への参加率が低下する原因は、以下の6つが考えられます。
① 労働力不足が顕著になり、どの企業も優秀な人材の確保に躍起になっている中で、自社の特徴やそこで働くことの魅力をしっかりと伝えなければ、決して選ばれる存在にはなりません。適切な情報提供を行うためには、自社を理解し、市場での競合との違いを明確にし、これから目指す未来ビジョンをわかりやすく表現することが重要です。こうした準備を整えたうえで適切に伝達し、自社への入社意欲を高めてもらうことが選考に参加してもらうための大前提となることを認識しておきましょう。
② オンライン型の採用活動が主流となり、時間や場所の制約なく活動できるようになりました。利便性が上がった反面、オフィスに訪問した時の雰囲気や面接官以外の(採用担当などの)社員の雰囲気、会社全体を取り巻く活気のようなものに触れる機会はほとんどなくなってしまいました。訪問によって自然に得られたこうした情報を、今後は意図して提供していかないと応募者の不安が解消できず、事態を誘発するリスクが高まっています。
③ 会社や選考以外の場での応募者接点が少なくなった裏返しとして、面接官の態度や雰囲気、話す内容が応募者に与える影響が非常に大きくなっています。面接官は応募者を評価し、判断する役割だけでなく、自社を代表する社員として振舞ってもらう必要が出てきました。何の準備もなく面接に臨んでもらうのではなく、面接官としてあるべき姿を追求していくことになります。
④ 面接の案内はどうしても面接官の都合に合わせて調整しがちです。一方応募者は、志望度があまり上がらない段階では「スケジュール調整を無理してまでも選考参加しなくてもよい」という意識に陥りがちなので、できる限り応募者の都合に合わせて予定を調整すべきです。面接官を増やしたり、あらかじめ特定曜日の特定時間を抑えさせてもらうなど、面接官にも協力してもらえる準備を整えましょう。
⑤ 採用選考は、企業側の判断だけでなく、応募者にとっても重要な選択の場面です。選考に臨むにあたってはじっくり自分と向き合い、納得の上訪問したいという方がいらっしゃるかもしれません。そうした気持ちを汲み取らず、自社都合で選考を進めようとすれば、どこかに歪みが出てしまうことがあります。
⑥ 今は情報過多の時代となり、必要以上に情報が氾濫しています。自社を知ってもらうためにとたくさんの情報提供を行い、その理解を促す行動が、実は応募者にとっての負担となり、次選考の参加をためらわせてしまうことがあります。情報は一方的に押し付けるだけでは応募者本人の糧にならないことがほとんどです。相手の状況を踏まえ、適切に情報を切り分け、受け止めやすい状態の中で自社を理解してもらうというプロセスは非常に重要であり、こうした機会を意図的に組み込んでいく必要があります。
面接への参加率を向上させるためには、以下の3つの対策が有効です。
書類選考から面接への参加率を高めるには、応募者が面接に臨みやすい環境を整え、志望度を高めるアプローチが必要です。
面接の実施方法や日程調整に柔軟さがあると、応募者の心理的ハードルを下げられるでしょう。
さらに、面接前には企業の魅力や働く環境などの情報を提供し、応募者の関心を深めることが重要です。
書類選考通過後に密なコミュニケーションをとり、フォロー体制を整えることで、志望度を高め歩留まりの向上につながります。
面接の合格率が低下する原因には、以下の6つがあります。
① 自社のことは自分たちが一番わかっていると思い込み、十分な準備をせずに面接に臨まれるケースがいまだ多数あります。日常生活を共にするメンバーとの面談や評価などと違い、初対面の人物に対して限られた時間の中で合否の判断をするところまで対応する面接は全く性格が異なるものといえます。十分な選考準備を行うことで、適正な歩留まりに補正する可能性が一気に高まります。
② 設定した選考基準を考慮せず、面接官個人の感覚や好き嫌いで合否をつけているケースがあります。その中で特に問題になってくるのが、評価根拠を明確に示せないもの。「なんとなく優秀そう」「私は気に入った」という話では、人事も、他の面接官も、そして応募者本人もなぜ合格になったのかがわからず、志望度も上がりません。選考プロセスそれぞれに期待する選考基準がありますので、それに基づく合否判断を行う必要があり、また歩留まりの想定もその基準の難度に合わせて設計しますので、実際の選考もその前提に合わせて進めてもらう必要があります。
③ 面接は閉ざされた空間の中で応募者と話すため、何の根拠で評価したのかがブラックボックスに入ってしまいかねません。厳しすぎたり、あいまいな根拠に基づく不合格は、採用活動全体の歩留まりを大きく毀損させます。面接官に判断を依存してしまうのではなく、面接後に「なぜそう判断したのか?」をしっかりとコミュニケーションすることが、採用活動にとっては極めて重要なアクションといえます。
④ 面接の結果をしっかりと丁寧に記録することは、多忙な面接官にとって負担が大きい業務になると思われるときがあります。しかし、その記録を確認することで、次の選考プロセスでの確認を省略したり、より深い事実確認をしたりすることにつながっていきます。面接官相互の情報の共有と連携に基づく会話、応募者に安心感と信頼を与えます。業務効率の観点から、また本人への志望度向上のためにも重要なステップといえます。
⑤ 面接官がすぐに適切な判断ができず、合否連絡が先送りになってしまうケースです。合否判断に迷うケースに多いのですが、それは確実に応募者本人にも伝わり、結果的に志望度を下げてしまう原因となります。面接官や自社の都合で応募者を待たせることにメリットはほとんどありません。面接結果の意向はできる限り早くくみ取り、次のステップに進めるアクションをとるようにすべきです。
選考の合格率に問題がある場合は、以下の2つの対策を行いましょう。
選考試験の合格率低下対策には、採用コンサルティングなどの専門家の活用が効果的です。
講義や講習を通じて評価基準や面接技術について体系的に学ぶことで、面接官の評価スキルが向上します。
また、「面接評価シート」を導入することで、応募者のスキルや適性などの合否基準が可視化され、面接官の主観的な判断を抑えられます。
内定を出したものの、内定者が自社で働く意欲を強く持てていない場合、より魅力的な他社の内定の承諾などによって辞退され、歩留まりが低下する恐れがあります。
また、内定を出すまでに自社の強みや働くメリットを候補者に十分に伝えきれていない、選考過程で候補者が持つ疑問や不安を解消できていない、なども内定辞退につながる理由の一つです。
内定段階になりますと、歩留まりに影響するのは応募者本人の意思(入社するかどうかの判断)のみとなるので、その観点から検証していきます。
内定フェーズで歩留まりが低下する原因は、入社を決断するための情報提供が不十分で、内定者への向き合い・フォローができていないことにあります。
具体的には以下のようなケースが考えられます。
入社意欲が高まる前に内定通知への回答を急がせると、応募者は不安を感じて辞退しやすくなります。また、内定者に不安を抱かせる情報を隠す、説明不足で入社条件が他社に劣ると感じさせるなども、志望度が下がる理由です。
また、ネガティブな評判への対応不足や選考結果のフィードバック不足により、応募者が不安や不満を抱き、参加意欲が低下する可能性があります。
この場合、以下の対策が有効です。
具体的には、内定者説明会や個別相談の場を設け、入社前の疑問を徹底的に解決するサポートを行いましょう。内定者同士の交流機会を設ければ、同期とのつながりを感じられ、安心感を高められます。
また、内定理由をフィードバックし、期待される役割を明確に伝えることで入社意欲を促進し、「自社で働きたい」と思える環境を整えます。
内定者へのフォローが不十分で信頼関係が構築できていないと、内定辞退率が上がり、結果的に歩留まりが低下します。
内定者ごとに入社意欲や抱えている不安は異なり、他社と比較して決断したいと考えている場合もあるため、自社都合を優先した動きをしていないかが重要です。
また、配属先との連携が不足しており、内定者との接点を設けていない場合、安心して働けないと思われる可能性があります。
内定辞退を防ぐためには、内定者に寄り添った対応や、受け入れ体制の整備が重要です。
選考段階から自社への興味を深めてもらい、内定出しの際は内定に至った理由を丁寧に伝えるなどの工夫を行います。
内定後に配属予定先の社員と交流する機会を設け、職場の雰囲気を体験してもらうことで、志望度を高められます。
定期的に連絡を取って入社への期待感を維持しつつ、受け入れ体制を整備しておきましょう。
レジェンダ担当者のコメント
ある金融業界の企業で「営業職の仕事内容を前面に押し出した会社説明会を行っていたところ、”営業に自信が持てない”という理由で説明会参加者の面接への参加率が下がり、現場から参加した営業社員の意欲も損なってしまっている。何とか盛り上げて選考参加率を上げたい」というご要望をいただきました。
改善に際しては、単に応募者受けする安易な営業情報の提供を行うのではなく、営業という仕事の本質を理解してもらう体験型のプログラムを導入し、また選考前にも職務理解のための少人数型のワークショップなどを行いました。
そこでは営業職の厳しさではなく、やりがいや面白さに注目してもらうアプローチを行ったというもので、その結果、選考参加率が15pt以上上がっただけでなく、本当に目を輝かせて面接に臨む応募者が増え、選考合格率も大幅に改善しました。
応募者に迎合したアプローチではなく、本質を貫く本気のコミュニケーションは企業の熱意が伝わります。採用の質を高めることに成功した事例といえるでしょう。
採用の歩留まりに関するよくある質問2つについて、回答を紹介します。
A:中途採用における歩留まりは、各採用フローの段階で通過者の割合を計算して求めます。
具体的には、採用の各フェーズ(募集→書類選考→個別面接→最終面接→内定)で、次の段階に進んだ人数の割合を歩留まり率として算出します。
例えば、書類選考通過率は、応募総数に対する書類選考を通過した人数の割合、面接参加率は、面接予約をした人数に対する実際に面接に参加した人数の割合として計算します。
さらに、面接通過率や内定承諾率も計算することで、採用歩留まりを悪化させている原因が浮き彫りになり、採用プロセスの改善につなげられます。
A:採用歩留まり改善のためには、レジェンダ・コーポレーション株式会社の採用支援サービス「変革RPO」がおすすめです。
「変革RPO」は、各企業の課題や要望に応じた採用プロセスを最適化し、歩留まりの改善を実現する支援サービスです。候補者の募集から選考、内定後のフォローまで、採用歩留まりの向上に欠かせない一貫したサポートを行っており、RPAなどの活用で効率的かつ高品質な採用活動が実現できます。
詳細は、レジェンダ・コーポレーション株式会社の資料ダウンロードやお問い合わせからご確認ください。
レジェンダ担当者のコメント
新卒採用ではインターンシップが主流になってきました。
ある企業で、まだ就職活動のことを何も知らない3年生の夏のタイミングに学生を動員しなければならず、多くの企業が一斉にインターンシップ動員に動き出す中、いかに自社のインターンシップに参加いただくかが議論の俎上に乗りました。
就職活動初期ということもあり、競争に勝つために膨大な自社情報を押し付けるのも本末転倒。せっかくエントリーしてもらった学生に大きな負担をかけないように気配りすることを重視し、伝えたい自社情報を読みやすい文量に細かく分割して準備。少しでも興味がある情報をSNS等で簡単に選択できる仕掛けを作って、応募者とのコミュニケーション頻度を高めました。
「就職活動への何となく感じる不安」を丁寧にほぐしつつ、自社への興味を高めるアプローチを行った結果、前年比で予約率を10pt以上向上することに成功しました。
なお、このやり取りはRPAと呼ばれる自動化処理で設計したもので、採用担当の負担はほどんどゼロで実現したこともあり、たいへんご好評いただきました。
自社だけでこれらの施策を実現することは大変難しいと思われますので、当社のようなRPOをご利用いただくことで、貴社にとっての最適なソリューション設計と運用を実現することをご検討いただきたいと思います。
採用における歩留まりとは、各採用フェーズの選考を通過した人数の割合のことです。採用活動では、候補者の参加率や合格率などの歩留まりを計算することで、採用プロセスの課題が明確になります。
採用歩留まりの低下には採用活動やフローの見直しが有効です。各採用フェーズでの歩留まりの分析や、改善に向けた施策の立案や実行が難しい場合は、採用支援サービスの活用を検討しましょう。
レジェンダ・コーポレーション株式会社は、採用業務の効率化や採用手法の最適化を支援し、企業に合った戦略を提供します。興味がありましたら、ぜひこちらよりご相談ください。
この記事の監修者
牧野 和治
採用支援事業部 ユニットマネージャー コンサルティング担当
■経歴
入社以来、人事アウトソーシングの採用領域に専門的に従事。特にメーカー・金融・IT業界のプロジェクトマネジメント経験多数。採用活動立案・推進や母集団過多時のスクリーニング、採用ターゲティング設計、選考プロセスにおける自社ブランディング策構築、アセスメント基準の最適化に実績あり。現在は最新市況を踏まえた事業ナレッジ構築チームの責任者。
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