RPO(採用代行)は、自社の採用活動の一部またはすべてをアウトソーシングできるサービスです。
近年では労働市場の変化や企業が直面する課題を解決するために、さまざまなアウトソーシングサービスや人事サービスが活用できるようになりました。
しかし、どのサービスが自社の採用活動に最適か、選び方や判断に迷う担当者も多いでしょう。
本記事を最後までお読みいただくと、RPO(採用代行)と人事系サービスの違いや、自社がRPO(採用代行)に向いている企業かどうかを見極める視点を得られます。
厳選した実例でRPO(採用代行)の導入による効果も紹介していますので、ぜひご一読ください。
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RPO(採用代行)とは何かについて、以下の2点に沿って解説します。
RPOとは「Recruitment Process Outsourcing」の略称で、「採用代行」や「採用アウトソーシング」とも呼ばれます。
企業活動に必要な人材を確保するために、採用活動の一部またはすべてを外部にアウトソーシングするサービスのことです。
日本においてRPO(採用代行)が導入され始めたのは、1990年代といわれます。
バブル経済の崩壊による景気の低迷期には、採用枠や企業の人事部門も縮小されていました。
そのため多くの企業で、景気回復に伴う新卒採用拡大に対応できる人材やノウハウの不足が問題となったのです。
また、生産年齢人口の減少に伴う慢性的な人材不足によって、人材確保をめぐって企業間の採用競争が激化したことも大きな要因の1つです。
さらに、IT技術の飛躍的な進歩により、採用手法の多様化とともに担当者の業務量も増加しています。
その際、人事担当者を増員すると固定費を増大するため、委託費でコストを抑えつつ採用担当者の負担を軽減できる採用代行サービスが注目を集めました。
リーマンショック以降は多くの企業が採用人数よりも質を重視した採用活動にシフトしたため、採用計画や選考などのコア業務に関わるRPO(採用代行)の実例も増えています。
レジェンダ担当者のコメント
構造的な人手不足を背景に企業の採用意欲は高まる一方です。人材獲得採用代行が求められている時代的な背景は2つあります。
1つ目は、従来通りの採用手法を続けていては採用目標を達成できず、採用のプロの力を取り入れようとする企業が増えていることです。
2つ目は、売り手市場になるにつれて、候補者体験の向上が採用活動に求められています。採用代行を活用し、自社のリソースを候補者コミュニケーションに専念していきたいという狙いです。
近年、企業が直面する採用課題に対する解決手段として、さまざまなアウトソーシングサービスが展開されています。
しかし、サービスが多様化する一方で、自社の課題に対してどのサービスが適しているか迷う人も多いでしょう。
本章では以下の人事系サービスのポイントや、RPO(採用代行)との違いについて解説します。
BPOとは「Business Process Outsourcing」の略称で、企業の業務プロセスを外部に一括して委託するサービスです。
委託可能な対象領域はRPO(採用代行)より広く、総務や経理などのバックオフィス業務やマーケティングや営業などのフロント業務、コールセンターなどのカスタマー業務にも導入されています。
BPOのうち、採用業務に特化したアウトソーシングサービスが採用BPOです。
さらに、採用BPOには人事全般を委託可能なパターンと、採用活動に特化して委託するパターンとがあります。2つのパターンのうち後者がRPO(採用代行)と呼ばれるものです。
以上のことから、RPO(採用代行)はBPOや採用BPOの一部と位置づけることができるでしょう。
HROとは「Human Resource Outsourcing」の略称で、企業の人事業務を外部に委託するサービスです。HROでは勤怠管理や業績評価、給与の支払い、福利厚生などを中心に、人材の配置や採用業務などを行います。
RPO(採用代行)は採用業務に特化したアウトソーシングであるのに対し、HROは企業による社員管理全般をサポートするアウトソーシングといえるでしょう。
RPO(採用代行)は職業安定法上の「委託募集」に分類され、採用業務の一部または全体を委託するサービスです。
それに対して人材紹介は企業と求職者のマッチングに特化したサービスで、職業安定法で「有料職業紹介事業」に分類されます。
両者は法令上の区分やサービス内容の他、業務形態や料金体系など多くの点で異なりますが、ニーズに応じて併用することも可能です。
人材紹介は専門性が高い人材や即戦力となる人材を確保したい企業に向いています。
それに対して、RPO(採用代行)は募集ポジションの幅が広く、採用ボリュームも比較的大きめの企業向きの採用手法です。
どちらが自社に適しているか見極めたい人は「採用代行(RPO)と人材紹介の違いとは?メリットや行政への許可など8つの観点から解説」の記事を参考に、費用相場やメリット・デメリットも比較してみてください。
採用コンサルティングとは、企業が最適な採用活動の実現できるよう、戦略設計から施策実行までサポートしてくれるサービスです。
採用コンサルティング会社のなかにはRPO(採用代行)も含めて対応可能な企業もありますが、採用コンサルティングとRPO(採用代行)とでは支援のスタンスが異なります。
採用代行会社が委託した業務を担ってくれるのに対し、採用コンサルタントはあくまで指南役であり、採用活動の主体は企業自身です。
どちらが自社に適しているか迷ったときは、具体的に比較してみましょう。
両者のサービス比較や採用コンサルティング会社の選び方、おすすめ業者などについては「おすすめの採用コンサルティング会社9選|具体的なサービス内容や選び方までご紹介」の記事をご覧ください。
レジェンダ担当者のコメント
各人事サービスとRPOの違いは、まず、RPOは採用課題に特化して解決にいたるまでのサポートを受けられます。人材紹介も同じく採用課題解決に貢献するサービスですが、求める人物像の紹介に限られています。
RPOであれば、採りたい人物の母集団形成から、選考プロセスの管理、内定出しのフォローまで全体をサポートしています。RPOは、採用活動全体を俯瞰したうえで、個々の施策を改善していくのが最大の特徴です。
RPO(採用代行)では求人広告の作成や応募者管理などのバックオフィス型の業務から、応募者選考や面接などのフロント型の業務まで委託が可能です。
委託可能な以下の主要12業務を紹介します。
求める人材像は企業側で策定して採用代行会社に共有するのが一般的です。
しかし、従来の採用手法でミスマッチが生じたり、内定辞退や早期離職で人材が定着しなかったりなどの課題を抱えている場合は、人物像の策定段階からコンサルティングを受けることもできます。
採用要件や手法の見直し、ターゲットに対する有効なアプローチの提案も受けられるでしょう。
自社の採用活動そのものを見直したい場合は、採用計画や戦略の立案から採用代行会社に入ってもらうことも可能です。
専門的な知見や豊富な実績を持つ採用代行会社が入ることで、自社内部では気づきにくい課題を特定したり、より効率的なフローの提案を受けたりできるでしょう。
立ち上げ間もなく人事担当者が不在の企業や、人事の人材が不足している企業も、RPO(採用代行)によって採用活動のスタートを切ることができます。
求人広告の作成や発注・出稿などの手続きも、RPO(採用代行)に委託可能です。特に採用活動の通年化や採用ポジションの増加によって広告の種類や掲載媒体が増えている場合は、委託によって工数を削減できます。
RPO(採用代行)への委託によって担当者がコア業務に専念できるようになり、作業の効率化や掲載媒体の見直し・精選によってコスト削減も図れるでしょう。
複数の人材紹介会社や求人媒体に登録し、エージェントによって異なる手続きやベンダーとの連携がコア業務を圧迫している場合は、RPO(採用代行)に委託するのがおすすめです。
通常の管理・運用から見直しまで対応してもらえます。
募集ポジションや採用ボリュームの増加とともに増える説明会の企画や運営、資料の作成なども、採用代行会社に委託可能です。
説明会の趣旨や伝達すべき内容を共有し、当日のスライド資料や配布資料の作成を任せることもできます。
ダイレクトリクルーティングを活用して候補者に直接アプローチする場合、採用枠に対して候補者を多く設定するため、担当者はメールの作成や返信業務に多くの時間を割かれます。
DMの作成やスカウトの配信業務を採用代行会社に委託すれば、担当者の労力を削減しながら効果の高い採用手法を実施可能です。
説明会や面接で学生や求職者と直接コンタクトを取り、応募につなげるリクルーター業務は、人事以外の従業員が担当するのが一般的です。
ただし、人材確保が難しい場合はRPO(採用代行)に委託することができます。
リクルーター制度を導入して採用前にしっかりコミュニケーションを取ることで、内定辞退や早期離職を防ぐ効果も期待できるでしょう。
応募者の情報管理や連絡、選考結果の通知などはRPO(採用代行)に委託しやすい業務です。事務的な作業の他、応募者からの問い合わせへの対応やフォローなども任せられます。
企業にとってはアウトソーシングによって効率化や負担の軽減を実感しやすく、応募者の企業に対する安心感や信頼感も高められるため、内定辞退も抑えられるでしょう。
人事と採用代行会社の担当間で選考基準が明確に共有できていれば、書類選考の事務作業を委託可能です。
応募者が多く、書類選考を自社のみで対応しきれない場合は、委託することで工数を減らせます。
また、委託によって選考を迅速かつ丁寧に行えるため、連絡や通知が遅いことを理由に応募者が途中で辞退するケースも防げるでしょう。
面接の日程調整や連絡業務といったノンコアでありながら細心の注意を払う業務も、RPO(採用代行)に委託可能です。
書類選考を通過した候補者と面接官の都合をすり合わせて日程を確定し、連絡や両者へのリマインドも代行してもらえます。
委託することで、担当者は安心して選考や決定に関わる重要業務に専念することができるでしょう。
面接は自社対応を基本としますが、以下のような問題がある場合は委託できます。
面接業務を委託する場合は、採用代行会社との認識のずれやミスマッチを防ぐために、事前にヒアリング内容や選考基準を定めて共有しておくことが重要です。
また、採用に当たっては求職者と企業文化の適合性も重視するケースが多いため、採用ターゲットのペルソナも共有しておく必要があります。
内定辞退が増えている昨今では、内定後のフォローは採用活動における最も重要な業務の1つであり、採用代行が可能です。
通知や入社に向けての事務的な連絡に加えて、企業や担当業務に関する情報提供や入社後の不安を解消するためのフォローも委託によって丁寧に行えます。
さらに、早期離職を防ぐための定着支援、懇親会や各種研修会の実施といった入社者向けのサポートも代行可能です。
これまで解説してきたように、昨今では多種多様なアウトソーシングサービスや人事サービスを利用可能ですが、以下のような企業にはRPO(採用代行)の導入をおすすめします。
SNSの導入やダイレクトリクルーティングなど、採用チャネルの種類が多様化により、自社に適した選択肢を選んだり組み合わせたりすることが可能です。
しかし、採用手法や手段ごとに管理業務が発生するため、自社内の人材では対応しきれない企業も多いでしょう。
RPO(採用代行)を活用すると、専門性が高い人的リソースを投入することで増え続ける業務にも効率的に対応でき、採用活動の質を高めていけます。
多くの人事担当者は、日程調整や連絡などのノンコア業務に追われ、採用計画の立案や応募者選考などのコア業務に注力できていません。
しかし、ノンコア業務に滞りが生じると主要業務にも影響が及ぶため、ノンコア業務もおろそかにできないというジレンマも抱えています。
RPO(採用代行)でノンコア業務の代行や効率化を行うと、担当者が採用に直結する重要業務や内定者フォローなどに専念できるようになります。
自社で採用活動を進めているけれど思うような成果が出せていない企業も、RPO(採用代行)の導入がおすすめです。
たとえば、歩留まり率が上がらない、求める人材の応募が得られないなどの問題を抱えている場合は、採用代行会社の専門的知見を借り、解決の道筋を示してもらうとよいでしょう。
求める人材が競合企業に流れている場合も、RPO(採用代行)の導入が有効です。採用のプロによって求職者の注意を自社に向け直す可能性を高められます。
採用代行会社は採用市場の動向や求職者のニーズも敏感にキャッチしているため、求職者にとってより魅力的な条件やアプローチに切り替えることも可能です。
企業の魅力がより伝わるアプローチや、有効な内定辞退防止策も提案してもらえるでしょう。
RPO(採用代行)に向いている企業の詳細については「採用代行(RPO)が向いている企業の特徴6選|メリット/デメリットと導入の3つの注意点も紹介」をご覧ください。
6つの特徴に当てはまる場合は、RPO(採用代行)の導入によって採用活動の効率や質を高めることをおすすめします。
RPO(採用代行)を活用すると、専門的知見や実績豊富なコンサルタントが自社の採用活動に伴走してもらえることにより、さまざまなメリットを実感できるでしょう。
RPO(採用代行)を導入するメリットは以下の5点に集約できます。
こちらの「採用代行(RPO)のメリットとデメリット!選定のポイントや事例も解説」では、採用代行業者の種類別のメリット・デメリットなども解説しています。
RPO(採用代行)導入に向けてデメリットや対策も検討したい場合は、ぜひお読みください。
レジェンダ担当者のコメント
レジェンダはお客様の採用達成率が9割を超え、そのおかげで採用代行(RPO)サービスの高いリピート率を維持しています。
お客様から評価いただく点の1つに「提案力」があります。弊社の採用コンサルタントは、常にお客様の人事部のメンバーのように採用課題に取り組んでおります。
そのため、採用課題に対する解決策が現実味を帯びた寄り添った提案になっており、お客様の評価につながっているのではないかと考えております。
RPO(採用代行)の導入検討にあたり、メリットとともにデメリットも押さえておく必要があります。RPO(採用代行)を導入するデメリットは主に以下の3点です。
これらのデメリットは、事前に認識して費用を試算したり、双方の業務範囲やコミュニケーションルールを明確にしたりすることで解消できます。
「採用代行(RPO)のメリットとデメリット!選定のポイントや事例も解説」では、デメリット解消のための注意点や代行業者の選び方、費用相場についても解説しています。
導入を検討したい方は、社内での共通認識づくりにお役立てください。
また、採用代行を検討されている担当者様向けに各社のサービスを一覧で比較できる記事をご用意いたしました。ぜひ「おすすめ採用代行(RPO)会社11社を徹底比較|導入すべきケースや選定ポイントも解説」をご覧ください。
採用代行を導入した3社の事例を紹介します。
自社の状況や課題に置き換えて、RPO(採用代行)を活用した場面や効果をイメージしてみてください。
株式会社Works Human Intelligence(WHI)は2019年創業、大手企業向け統合人事システム「COMPANY」の開発・販売・サポート、HR関連サービスの提供を行う企業です。
創業わずか3年で100名規模まで採用数を伸ばし急成長。
4人体制の人事では工数の増加や複雑化に対応しきれず、レジェンダ・コーポレーション株式会社にオペレーションや選考の一部を委託しました。
株式会社Works Human Intelligence様のご支援内容については、こちらをご覧ください。
レジェンダ担当者のコメント
新卒採用業務は年々複雑にかつ業務量が増えております。
そんななか、候補者体験の向上を大事に進められるお客様が、候補者コミュニケーションに専念できるよう、プロセスの整理や業務効率化を意識しながら進めさせていただいております。
株式会社Antwayは共働き世帯に向けてプロの料理を配達するサービスを展開しています。
サービス開始わずか半年で需要が殺到、加速度的に成長する事業づくりを目指してレジェンダ・コーポレーション株式会社に依頼しました。
株式会社Antway様のご支援内容については、こちらをご覧ください。
レジェンダ担当者のコメント
スタートアップ時期の採用活動は、入社してくる人材は企業にとっても黎明期の人材です。
まさに組織を大きくする土台となる人員の採用となりますので、この時期の採用活動を支援させていただくのは責任のある仕事だと考えております。
スタートアップの採用をご支援する場合は、特に経営陣の理念や採用にかける想いを確認しながら進めさせていただいております。
アレクシオンファーマ合同会社は、超希少疾患に対する治療薬の開発や疾患に関する啓発活動を続けている企業です。
2019年に策定された中期成長戦略を背景に、組織拡大に向けて大規模な増員を計画。レジェンダ・コーポレーション株式会社に依頼し、RPO(採用代行)によりわずか半年で増員に成功しました。
アレクシオンファーマ合同会社様のご支援内容については、こちらをご覧ください。
最後に、RPO(採用代行)との関連で問い合わせの多い質問2つを紹介します。
RPO(採用代行)を活用する場合、代行会社が提示する料金体系は以下の3つが主流です。
業務内容ごとの費用相場については、採用代行会社によって多少ばらつきがありますが、「採用代行(RPO)の費用相場は?おすすめの代行会社3つと4つのメリットも紹介」の記事は目安となる金額も紹介しています。
料金体系や相場は委託する企業や業務内容、契約期間などによっても大きく変動するため、必ず複数社から見積もりを取りましょう。
エンジニアのような専門性の高い人材を採用する場合、採用側にも対象となる職種や技術に関してある程度知識が必要となります。
エンジニア採用の実績が豊富な採用代行会社を選ぶことで、採用計画から内定者フォローまで対応してもらえるでしょう。
ただし、採用代行会社に任せっぱなしすると、コミュニケーション不足によって、候補者ミスマッチや内定辞退を招くリスクが高まります。
「エンジニア採用代行とは?導入メリットや選定ポイント/おすすめスカウト媒体6選も紹介」ではエンジニア採用で失敗しないためのポイントも解説していますので、導入の検討にぜひお役立てください。
RPO(採用代行)は採用業務に特化したアウトソーシングサービスです。
意味や概要、サービスの特徴を押さえることで、採用BPO、HRO、人材紹介、採用コンサルティングなどの人事サービスとの違いを明確にし、自社に適したサービスを見極めやすくなります。
本記事では、RPO(採用代行)が自社に適したサービスであるかどうかをチェックするための情報を、以下の通りまとめてご紹介しました。
最後に、RPO(採用代行)が向いている企業の特徴を再掲しますので、実例とともに導入検討の参考にしてください。
実例を読んで自社にはどんなRPO(採用代行)を導入できるか興味がわいた方は、当社までお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
中津川
セールス&マーケティング部 統括リーダー
■経歴
レジェンダ・コーポレーションに入社後、外資IT大手・メーカー等の新卒・中途の採用アウトソーシング、コンサルティングを担当。その後、広報、セールスを経て、現在はマーケティングに従事。インナーブランディング・Webマーケティング企画実行を担当している。
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