エンジニア採用に取り組んでいるものの、技術に関する知識が浅く、適切に見極められていない。
エンジニア採用を担当されている方の中には、上記のようなお悩みを抱えておられる方もいらっしゃるでしょう。
本記事ではそういった方に向けて、エンジニア採用代行を紹介します。
エンジニア採用代行の概要やサービス内容、導入のメリットなどを踏まえ、代行会社を選ぶポイントなどを解説します。
エンジニア採用に役立つ書籍やおすすめのスカウト媒体も紹介していますので、ぜひ最後までご確認ください。
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採用代行について触れる前に、まずはエンジニア採用を取り巻く環境について紹介します。ここでは以下の2点について押さえていきましょう。
まずはエンジニアの最新の有効求人倍率について、厚生労働省発表の一般職業紹介状況(令和6年4月分)を引用して確認してみましょう。
機械設計や電気制御といった、機電系エンジニアが含まれる製造技術者(開発)の有効求人倍率は2.28となっています。
またITエンジニアが含まれる情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.68です。
いずれも全職業の平均値1.15を上回る数値となっています。
また新規求人倍率(新規求職者1人あたりの新規求人数の比率)は、製造技術者(開発)は3.09、情報処理・通信技術者は2.85となっており、さらに高くなります。
このようにエンジニアは求人倍率が高い傾向にあり、採用難易度もその分高くなっているといえるでしょう。
日本の生産年齢人口は1995年の8,716万人をピークとして、現在まで減少し続けています。
今後もその傾向は続くとされており、内閣府は2030年には2020年の7,406万人から531万人減ると想定しています。
もしこのままの推移で人口減少が進んだ場合、2065年には生産年齢人口は4,529万人になると推定されているため、より一層人材獲得が難しい時代になっていくでしょう。
また経済産業省は「IT人材育成の状況等について」という資料の中で、IT人材が将来的にどの程度不足するのかを試算しており、以下のデータを公表しています。
上記グラフを見ていただくとわかるように、2030年時点で最大79万人ものIT人材が不足すると試算されています。
それだけエンジニアを確保しにくい状況になっていくことが予測できるでしょう。
エンジニアの採用代行について詳しく解説します。
まずは以下の点から確認していきましょう。
エンジニア採用代行とは、エンジニア採用に特化した採用代行サービスのことです。
そもそも採用代行とは採用プロセスの一部、あるいは全部を委託できるサービスであり、あらかじめ委託範囲や業務などを協議し、採用代行会社が採用プロセスを遂行します。
採用代行には大きく以下の2つのタイプがあります。
バックオフィス型 | 採用プロセス運用に関する業務を中心に代行する。
採用媒体管理や採用システム運用、候補者への連絡といった事務業務を対象とした採用代行。 |
フロント型 | 採用活動のフロント業務を中心に代行する。
リクルーター派遣や面接代行、説明会といったフロント業務を対象とした採用代行。 |
採用代行会社には、それぞれ得意とする領域があり、特定職種や分野に特化したサービス、新卒やエグゼクティブなど特定階層に特化したサービスでほかの採用代行と差別化している場合もあるでしょう。
なかでもエンジニアに特化した採用代行では、エンジニア業界や技術に関して深い知見のある採用のプロが採用活動をサポートします。
採用代行サービス全般に関する詳細はこちらをご覧ください。
>> おすすめ採用代行(RPO)会社11社を徹底比較|導入すべきケースや選定ポイントも解説
エンジニア採用代行は現在多くの企業から注目を集めていますが、その理由として、エンジニア採用の難易度の高さが挙げられます。
ITを中心とした技術は急速に発展し、毎年新たな技術が登場することから、エンジニアや技術に関しての最新情報をキャッチアップし続けるのは容易ではありません。
また採用担当者がエンジニア出身でないケースも多く、エンジニアのことを理解していない担当者が採用に取り組むと、ミスマッチなどにつながるケースもあるでしょう。
加えて生産年齢人口の減少などに伴い、採用自体の難易度が急激に高まっており、精度の高い採用アプローチが必須となっています。
理系の人口が減っていく中、エンジニア採用に文系や高卒者にターゲットを広げて採用に取り組む企業も増えています。競争が激化する中、選ばれるためにはCX=候補者体験(Candidate Experience)の向上も忘れてはならないポイントです。
これらの状況において、エンジニアを自社の採用担当だけで採用するのは難しく、エンジニア業界に精通した採用のプロによる採用代行が求められています。
エンジニア採用では、新卒と中途によってアプローチが大きく変わるため、それぞれの違いや特徴について押さえておく必要があります。
エンジニア採用における新卒と中途では、以下の点に違いが見られます。
新卒採用とエンジニア採用における特徴としては、以下のような点が挙げられるでしょう。
新卒エンジニア採用の特徴 |
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中途エンジニア採用の特徴 |
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それでは具体的な内容について見ていきましょう。
新卒と中途採用の大きな違いとして、まず挙げられるのは採用活動のタイミングが挙げられます。
新卒の場合は4月入社に向けて、前年の3月頃から説明会などの母集団形成をおこない、6月から選考活動を開始するといったように、実施するタイミングが決まっています。
ただし、エンジニア採用についても年々早期化が進み、通年採用に近づいてきているというのも実態です。
短期決戦ではなく、年間を通して、学生への接点を設計しておきたいところです。
中途採用の場合は、自社の事業計画などに応じて人材が必要となったタイミングで適宜実施するため、固定されたタイミングなどはありません。
採用において重視すべきポイントにも違いが見られます。
中途採用では該当職種に必要なスキルや経験を重視して採用するため、求める要件のハードルが高く、見極めの難易度も高まります。
新卒は、実務経験を求めることはできないため、求職者の人物面やポテンシャルを重視し、育成を視野に入れた中長期的な視点で採用することになります。また、就活時点で求職者がエンジニアになることを理解し、エンジニアについて学んでいるかも大切なポイントとなります。
新卒エンジニア採用の特徴について、もう少し詳しく見ていきましょう。
新卒採用ではあるものの、早期化していてより競争も激化しているので、接点を持った時期に合わせて適切な選考・フォローアップを実行していくような計画が必要です。
早期に内定出しを行った場合、内定承諾までの囲い込みも必要となります。早く内定を出すだけではなく、最後まで選ばれるコミュニケーション設計が大切です。
また、採用したい職種に応じて、該当する学部を有する大学へ訪問し、大学との関係性を構築しておくことが求められます。
ただし学生数も少ないため、採用競合が多く母集団形成の難易度も高まります。
大学とのコネクションを構築しつつ、新卒向けの求人媒体を中心に活用し、新卒に特化したスカウトサービスやエージェントも利用して、採用活動に取り組むことになるでしょう。
中途エンジニアの場合は、企業の基盤技術やプロダクト、サービスの仕様技術によって異なるスキルが求められます。
例えば業務システムの開発者が必要な場合、JavaやPythonなどの開発言語が使える必要がありますが、Webアプリ開発の場合はJavaScriptやPHPの言語が必要になるなど、異なるスキルが求められます。
また、お客や他部署との交流が必要か否かによっても、必要なスキルが変わってきます。
これらの該当のスキルや経験を持った人材を探すためには、ヘッドハンティングやスカウトを中心に採用活動を実施することになるでしょう。
当然、求人媒体やエージェントも中途採用に特化したサービスが必要です。
またスカウトがメインとなるため、スカウト媒体を使いこなす技術、例えば求職者を検索するための言語化スキルや、AIを利用したスカウト文面の分析といった能力が求められるでしょう。
ここからはエンジニア採用代行で依頼できる業務について紹介します。
採用代行で依頼できる主な業務としては、以下の業務が挙げられます。
まず紹介するのは、採用計画の立案です。
採用代行の運用に先立ち、採用代行会社と採用人数や対象となる職種などを相談することで、採用計画の立案をサポートしてくれます。
「採用業種に応じてどういったアプローチが必要なのか」「どういったエージェントや媒体を活用すべきか」といった点を提案してくれるため、自社にとって最適な採用計画を策定できるでしょう。
母集団形成もエンジニア採用代行に依頼できる業務の1つです。
母集団形成に向けて、求職者に対してDMやスカウトメールを送信することはもちろん、説明会や媒体への掲載といった各作業を代行してくれます。
サービスによっては大学訪問の代行なども対応してくれるため、母集団形成にかかる工数を大きく削減可能です。
次に挙げられる業務は応募者対応と管理です。
求人応募や問い合わせをしてきた求職者への対応や、返信作業も任せられます。
また応募者の連絡先や問い合わせ情報を社内システムに格納するなど、情報管理に関する業務も依頼できるでしょう。
続いて挙げられるのは初期の選考です。
初期の選考では応募者から送られてきた選考書類を、採用基準などと照らし合わせながら確認していきます。
採用代行では初期選考も対応できるため、書類選考の効率を高め、マッチ度の高い人材に絞って面接などの選考業務を実施できるでしょう。
選考日程の調整や面接代行も、エンジニア採用代行の対応業務として挙げられます。
書類選考を通過した各求職者に対して、面接日時の調整をしてくれます。
また、あらかじめ質問表や評価基準などを共有しておけば、一次面接や二次面接といった前半の選考に関わる事務処理を任せることもできます。
合否連絡や内定者フォローも、依頼可能な業務の1つです。
面接を実施した各候補者に合否連絡を実施し、合格者に対しては次の選考に関する案内なども実施してくれます。
最終面接を通過した内定者に対して定期連絡を実施するなど、内定者フォローに関する業務も任せることができるでしょう。
次にエンジニア採用代行を利用するメリットを紹介します。
エンジニア採用代行のメリットとしては、以下の点が挙げられます。
それでは詳細を見ていきましょう。
メリットとしてまず挙げられるのは、エンジニア採用経験者に任せられる点です。
エンジニア採用は対象職種に必要な技術に関して、深い知識や理解がなければ適切に遂行できません。
その点エンジニア採用代行では、各技術に詳しいエンジニア採用経験者が採用を代行するため、精度の高い採用活動を実現できるでしょう。
エンジニア出身者が採用を支援してくれるケースもあるため、安心してエンジニア採用に取り組むことができます。
次に挙げられるのは、優秀な人材を採用しやすいという点です。
エンジニア採用では、SNSや媒体などを用いてスカウトを担当する「ソーサー」も、学生や求職者とコミュニケーションを取る「リクルーター」も、片手間でできる仕事ではありません。
それぞれ専門的な知識が求められるうえ、相応の工数も確保する必要があるため、自社単独でこれらの役割を設置するのは難しいケースがあるでしょう。
採用代行を活用すれば、十分な採用活動量を担保できるためソーサーやリクルーターとしての経験が豊富なプロにこれらの活動を代行してもらえるため、優秀な人材を確保しやすいといえます。
特定業務の切り出しが可能である点も見逃せません。
社内のリソースやノウハウを踏まえたときに、「リクルーターは対応できるが、ソーサーやバックオフィスの事務作業までは対応できない」といったことは、往々にして起こります。
その点、採用代行を利用することで、自社のノウハウやリソースが足りない業務を切り出して、ピンポイントで任せられます。
そのため、自社の状況に応じてバックオフィスだけを切り出すなど、自社のリソースを最適配分しながら、採用活動を効率化できるでしょう。
また、採用代行業者によっては、依頼するスコープを特定業務に限定するだけでなく、幅広く全体設計を依頼することも可能です。ノウハウやリソースの足りない部分を補い直近の採用活動を代行しながら、次年度の採用計画を並走して戦略設計してくれます。
メリットの最後に挙げられるのは、社内リソースがなくても採用に取り組めるという点です。
社内にエンジニア採用に関する知見や経験がある人材がいない、あるいはエンジニアの知見がある人材がいたとしても採用にリソースを割けない場合、採用活動は滞ってしまうでしょう。
採用代行では外部のリソースを採用業務に活用できるため、自社にリソースがなくても採用活動に取り組むことができます。
当社も採用代行サービスを提供しておりますため、詳細は支援実績800社以上・リピート率90%以上を誇る「株式会社レジェンダ」の採用代行サービスをぜひご覧ください。
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エンジニア採用代行のメリットをご確認いただいたところで、デメリットについても併せて押さえておきましょう。
エンジニア採用代行のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
デメリットとしてまず挙げられるのは、代行費用がかかる点です。
採用代行サービスは、依頼する業務範囲や内容に応じて相応の費用がかかります。
任せる範囲が広かったり、面接などのコアとなる業務を依頼したりした場合、高額な費用が発生する可能性もあるでしょう。
そのため採用代行を活用する場合、通常の採用予算に加えて、代行用の予算も確保しなければなりません。
採用代行における料金体系や費用相場は別途紹介します。
次にデメリットとして挙げられるのは、ノウハウを蓄積できない可能性がある点です。
採用代行では、採用に関わる業務全般を代行会社が遂行するため、その業務を実施したことで得られるはずのノウハウや知見は社内に蓄積されません。
もし採用代行会社がノウハウ提供の仕組みを持っていない場合、その傾向は顕著になるでしょう。
そうなると採用代行の運用をやめた際に、採用成果の再現ができない可能性があります。
続いて挙げられるのはミスマッチのリスクです。
採用代行会社は採用に関しての豊富な経験を持ち、エンジニア業界にも精通していますが、自社に関する風土や最適な人物像などの知見は、自社従業員に比べて浅くなります。
そのため事前に自社の特徴やターゲット像、採用基準などを十分にすり合わせなければ、ミスマッチにつながりやすくなります。
候補者とのコミュニケーションが取りづらいという点も、デメリットとして挙げられます。
採用代行会社に委託するプロセスによっては、候補者とのコミュニケーションが希薄となります。
特に面接などの選考過程を委託した場合、候補者と接点が持てなくなり、入社前の関係構築が十分にできず、立ち上がりに影響する可能性があるでしょう。
そのため採用代行を活用しても、別途候補者とのコミュニケーションが取れるように、委託範囲を絞ったり、仕組みを構築したりする必要があります。
続いてエンジニア採用代行の料金体系について紹介します。
採用代行の料金体系としては、主に以下の3パターンが存在します。
月額一律型 | 委託業務範囲や内容に応じて、事前に費用を決める |
従量課金型 | 業務量に応じて毎月料金が変動する |
成功報酬型 | 採用数や内定といった成果が出た際に費用が生じる |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
月額一律型は、委託範囲や依頼する業務内容に応じて、事前に採用代行会社との間で固定費用を決めておく料金体系です。
委託範囲が広くなったり、重要な業務を依頼したりするほど、高額な費用が設定されることになります。
月額が固定されているため月ごとの費用変動がなく、予算を管理しやすいという特長がありますが、柔軟性には欠けます。
例えば採用実務が少ない月であっても固定費用は生じるため、状況によっては費用対効果が悪化する可能性があるでしょう。
従量課金型は、該当月において実際に発生した業務量に応じて費用が変動する料金体系です。
あらかじめ業務や作業ごとの単価を定め、その業務の発生件数や実施時間に応じて、費用が加算されます。
代行業務が発生した分の費用しか支払う必要がないため、実態に即した予算管理ができますが、費用変動が頻繁に起きるという特性上、予算管理の工数は高まるでしょう。
また代行業務がまとまって発生した月は、費用が高額になる点も留意しておく必要があります。
成果報酬型は、採用や内定承諾といった実際の成果が生じた際に費用が発生する料金体系です。
あらかじめ採用代行会社との間で「何をもって成果とするか」をすり合わせておき、成果ごとの単価を設定します。
成果が発生しない限り、どれだけ採用実務が生じても費用がかからないため、費用対効果の高い採用活動を実現できるでしょう。
ただし、採用代行会社にとってもリスクを背負う形式であるため、成果あたりの単価が他の料金体系よりも高くなる点は注意してください。
エンジニア採用代行の費用相場は、委託範囲にもよりますが数十〜数百万円程度となります。
新卒や中途採用など採用対象によっても異なり、中途採用の方が採用難易度が高いという性質上、やや上振れするケースが多くなるでしょう。
また各業務にもそれぞれ相場が設けられており、例えば当社の採用代行サービスであれば、以下のような料金となります。
対象業務 | 料金目安 |
DM・スカウト配信業務 | 月額 20万円~ |
面接選考の日時設定 | 月額 20万円~ |
面接代行 | 1回 1万円~、月額 30万円~ |
応募者への合否連絡 (内定通知など) |
月額 2万円~ |
入社への意思確認 | 月額 2万円~ |
バックオフィス一式 | 月額50万円~ |
リクルーター代行 | 月額70万円~ |
成果報酬型の場合は、採用決定者の年収における30〜50%程度の費用が生じるため、最低でも数百万円程度の予算を確保しておく必要があるでしょう。
次にエンジニア採用代行を依頼する流れを紹介します。
ここでは依頼するステップを以下の3つのフェーズに分けて見ていきましょう。
準備フェーズ |
|
依頼フェーズ |
|
運用フェーズ |
|
準備フェーズでは以下の3つのステップを踏みます。
それでは1つずつ見ていきましょう。
採用代行を依頼する際は、まず自社の採用プロセスや課題を整理する必要があります。
採用プロセスを業務フローなどで可視化したうえで、歩留まり率なども確認しながら、どの採用プロセスに課題があるのかを整理しましょう。
各プロセスの課題を踏まえて、「自社で対応可能か、外部委託すべきか」を判断し、採用代行会社へ委託するプロセスに目星を付けておきます。
続いて採用ターゲットや採用基準を明確にします。
募集職種において、現場のエンジニアの意見を参考にしながら、必要なスキルやどのような経験が必要なのかを定義しましょう。
採用ターゲットを明確にする際は、年齢などの基本的なプロフィールに加え、転職で重視するポイントやキャリアプランなども加味した、採用ペルソナを策定することをおすすめします。
採用ターゲットと併せて採用基準も明確にしておくことで、採用代行会社との打ち合わせや実運用をスムーズに進めることができるでしょう。
採用プロセスや採用ターゲットの整理と併せて、採用活動にかかるコストを把握しておくことも忘れないでください。
各採用プロセスにおいて、人件費や時間、投入している予算などの各種コストを割り出し、現状の費用対効果を把握しておきましょう。
これらのコスト面を把握しておくことで、委託コストや運用開始後の費用対効果を正確に検証できます。
準備フェーズのあとは、採用代行会社に依頼をかけていくフェーズに入ります。
依頼フェーズには、以下の3つのステップが含まれることになるでしょう。
依頼フェーズでは、まずエンジニア採用代行サービスを選定します。
自社の採用課題や依頼したい採用プロセス、募集職種などを踏まえながら、最適な採用代行サービスを選定しましょう。
このタイミングで一社に絞り込む必要はなく、候補となる採用代行会社を2〜3社ピックアップすることで、複数のサービスの特徴や価格を比較しながら選ぶことができます。
採用代行サービスを選定する際のポイントについては別途紹介します。
先のステップで絞り込んだ採用代行会社と打ち合わせをおこないます。
準備フェーズで整理しておいた採用ターゲットや採用基準、委託したい採用プロセスなどをすり合わせましょう。
これらの内容を基に、委託範囲や運用方法などを踏まえた採用代行プランを提示してもらい、依頼すべきかの判断をおこないます。
提案してもらった採用代行プランについて問題がない場合、見積もり金額を提示してもらい、最終的な判断をおこないます。
この時点でまだ複数社候補となるサービスが残っている場合は、見積もり金額とサービス内容のバランスなどを比較して、依頼先を決めるとよいでしょう。
依頼先を決めたあとは、採用代行会社と業務委託契約や代行業務の評価指標を定めたSLA(Service Level Agreement)を策定します。
契約締結後は運用フェーズへと入ります。
運用フェーズでは以下の2つのステップを踏むことになるでしょう。
運用開始後は、委託した採用プロセスの遂行状況をモニタリングします。
定期的に採用代行会社とコンタクトを取りながら、業務状況について適宜報告をしてもらい、効果検証をおこないましょう。
運用をモニタリングするなかで、方向性がずれていると感じたり、疑問点が生じたりした場合は、改善要望や問い合わせをおこない、ハンドリングすることが求められます。
運用のモニタリングや効果検証の結果を踏まえ、採用代行を継続するかを判断します。
あらかじめ割り出しておいた自社の採用コストや費用対効果と、採用代行の成果などを比較分析し、運用を継続するべきかを判断しましょう。
また単純なコストや成果だけでなく、採用代行会社の担当者との相性も考慮しながら、必要に応じて別のサービスへの移行も検討しなければなりません。
エンジニア採用代行を依頼する流れについてご確認いただいたところで、サービスを選ぶ際のポイントも併せて押さえていきましょう。
エンジニア採用代行サービスを選定する際は、以下のポイントをチェックしてください。
ポイントとして、まず挙げられるのは社内協力体制の有無です。
採用代行を利用するにあたって、社内、特に現場のエンジニアから採用に関してどれだけ協力が得られるのかを確認しましょう。
社内エンジニアから積極的に協力が得られる場合、委託範囲や依頼する業務内容は最小限で済む場合があります。
逆にほとんど協力が得られない場合は、委託範囲の拡大や面接などのコア業務も委託できるサービスを選ぶ必要があるでしょう。
次に確認すべき点として挙げられるのは、採用代行会社のノウハウや専門性です。
エンジニア採用代行では、通常の採用ノウハウに加え、エンジニア業界や各技術領域に関する深い知識が求められます。
そのため採用代行会社に所属するコンサルタントが、元エンジニアなのか、あるいはそれに匹敵する知識・専門性を持っているかは重要なポイントとなるでしょう。
仮にエンジニアでなくても、エンジニア採用代行の経験が豊富にあり、適切にディレクションしてくれる場合は、安心して任せることができます。
支援実績やリピート率なども選定する際の重要なポイントです。
エンジニア採用代行と一口に言っても、得意とする技術領域が異なります。
そのため採用代行会社の持つ支援実績のうち、自社が採用したい職種や技術領域において実績があるかを確かめましょう。
またサービスのリピート率や満足度なども確認することで、実際のサービス品質を推察できます。
続いて挙げられるのは対応の柔軟性です。
運用を開始したあと、委託範囲や業務を追加したくなることは往々にしてあるでしょう。
また実運用ではイレギュラーな事態が発生する可能性もあります。
こういった運用途中での業務追加やイレギュラー事項についても、柔軟に対応してくれるかといった点も重要な選定ポイントになります。
また問い合わせや連絡に対するレスポンスの速さや、対応を追加した場合の料金などについても併せて確認しておくことで、運用開始後のイメージを持ちやすくなるでしょう。
次に挙げられるポイントは、料金体系や費用感です。
まず自社が希望している料金体系での契約が可能かを確認しつつ、費用が自社の想定予算に収まるかどうかを確認しましょう。
これまでの支援実績などから費用対効果などを試算することで、最適な採用代行サービスを選ぶことができます。
選定ポイントの最後に挙げられるのは、ノウハウ提供の仕組みの有無です。
採用代行には採用ノウハウが蓄積しにくいという難点がありますが、ノウハウ提供の仕組みがあるサービスを利用することで、このデメリットの影響を最小化できます。
そのため採用代行会社の提供するサービスとして、採用コンサルティングや研修といったノウハウ提供に関わる仕組みがあるかを確認しましょう。
当社の採用代行サービスには、ノウハウ提供や面接官トレーニングなどのメニューもございますので、「変革RPO」も併せてご確認ください。
レジェンダ担当者のコメント
エンジニア採用を成功させるには、現場の協力が鍵となります。協力が得られる場合は、採用の専門担当者を現場から配置し、エンジニアが共感できるプロセス設計や技術的な対話を通じて、候補者体験(CX)の向上を図ることが効果的です。
一方、現場の協力が得られない場合は、人事部門のディレクション能力が重要になってきます。現場のリソース協力をどこで得られるか、どの程度の工数を確保できるかを見極め、人事からの要望を適切に伝えることが求められます。
そして、各ステップにおいて大切なポイントは以下となります。
①母集団形成:イベント出展、魅力的なコンテンツ作成、プログラミング経験を活かせるインターンシッププログラムの実施
②面接設計:技術への意欲を引き出す質疑応答や面接技術の向上
③フォローアップ:選考フェースや内定フェーズにおける、適切な担当者によるOne to Oneでのフォローアップ
採用コンサルティングに関する詳細はこちらをご覧ください。
>> おすすめの採用コンサルティング会社9選|具体的なサービス内容や選び方までご紹介
続いて、エンジニア採用において参考となる書籍を紹介します。
ここで紹介するのは以下の3冊です。
引用:Amazon
まず紹介するのは、中島佑悟氏らの共著「作るもの・作る人・作り方から学ぶ 採用・人事担当者のためのITエンジニアリングの基本がわかる本」です。
採用業務に必要な技術用語を解説した一冊となっており、エンジニアレベルの深い知識こそ習得できませんが、エンジニアリング知識の全体感を理解できます。
採用領域において、理解すべき用語や知識に絞って学ぶことができるため、エンジニア採用において必読書といえるでしょう。
引用:Amazon
次に紹介するのは、久松剛氏の著書「ITエンジニア採用とマネジメントのすべて 「採用・定着・活躍」のポイントと内製化への道筋が1冊でわかる」です。
本書はITエンジニア採用に必要な採用市場の基本知識に加え、ITエンジニアの採用方法や入社後のマネジメント方法などをわかりやすく解説しています。
採用を成功させるための準備事項や面接における注意点、短期離職を防ぐ方法など、実践的なポイントを解説しているため、事前に読んでおくとよいでしょう。
引用:Amazon
最後に紹介するのは、新城優氏らの共著「非エンジニア人事のためのエンジニア採用の教科書: ~ダイレクトリクルーティングの始め方~」です。
本書は著者たちのエンジニア採用経験を踏まえ、母集団形成から各選考、定着支援までを網羅した内容になっており、非エンジニア人事がつまずきやすいポイントを丁寧に解説しています。
採用戦略の立て方や、従業員を自社のファンにするポイントなども紹介しているため、エンジニア採用に取り組む際はぜひ確認したい書籍といえるでしょう。
引用:LAPRAS SCOUT | ITエンジニア優秀層の心を掴む採用プラットフォーム
おすすめのサービスとして、まず紹介するのは「LAPRAS SCOUT」です。
LAPRAS SCOUTはハイスキルITエンジニアを対象としたスカウト媒体で、3万人もの登録ユーザーと、53万人の非登録ユーザーから、自社に合ったエンジニアを探すことができます。
候補者の転職意欲を検索でき、転職意欲が変化した場合に通知してもらうことも可能です。
そのほか、候補者がSNSで発信している内容を参照することによって、より精度の高いアプローチができるため、18~20%という高いスカウト返信率を誇っています。
サービス詳細については、こちらのページからご確認ください。
続いて紹介するのは「AUTOHUNT」です。
AUTOHUNTは400万人以上のプロファイルの中から、転職潜在層の優秀な人材を素早く見つけ出し、早い段階での接点を構築できます。
転職サービスに登録していない人材でも、SNSなどのオープンデータから探し出すことができるため、自社に合った人材を見つけやすいという特長があります。
また求職者とのやり取りを一元管理できる機能が搭載されているため、アプローチ状況などを組織内で共有でき、これらのデータを踏まえたアプローチ内容の分析もできるでしょう。
詳細はこちらのページからご確認ください。
次に紹介するのは「Wantedly」です。
Wantedlyは約400万人のユーザーが登録しているビジネスSNSであり、ユーザーとメッセージのやり取りができるほか、公開本数の制限などなくあらゆる職種で応募を集めることができます。
また求人募集だけでなく、自社の魅力を伝えるためのストーリーコンテンツなども掲載できるため、採用向けオウンドメディアとしても活用できるでしょう。
SNS広告の配信や、ダイレクトスカウトといったカスタマイズオプションも設けられているため、効率的にエンジニアに対してアプローチが可能です。
詳細はこちらのページをご確認ください。
引用:エンジニア採用ご担当者様へ | 優秀なエンジニアを採用するなら【paiza転職】
paizaもおすすめのスカウト媒体サービスとして挙げられます。
国内最大級のエンジニアIT人材データベースを有しており、約63万人もの登録者の中から、自社の採用要件に合致した人材に直接アプローチできます。
初期費用や掲載料もかからず、採用できるまで費用が発生しないため、費用対効果の高いスカウトや採用に取り組むことが可能です。
また独自のスキルチェック制度によって、応募者全員がS~Dランクで実力が判定されているため、ある程度ふるいにかけたうえでスカウトできるでしょう。
詳細についてはこちらのページをご確認ください。
引用:Findy Enterprise | ハイスキルなエンジニアと出会えるスカウト型の採用サービス
続いて紹介するのは、「Findy」です。
Findyはハイスキルエンジニアと企業をマッチングする転職サービスであり、GitHubを解析したうえで応募者のスキル偏差値を数値化しています。
企業はサービス登録者のスキル偏差値を参照しながら、気になったエンジニアに対して「いいね」を送ることが可能です。
エンジニアから「いいかも」が返ってきた場合、スカウトメールを送信できるという仕組みであるため、確度の低いエンジニアに工数をかけてしまうリスクを防止できます。
またスカウト文面について、カスタマーサクセスからアドバイスを提供してもらえるため、効果的なスカウトを実現できるでしょう。
詳細はこちらのページからご確認ください。
引用:即戦力エンジニア採用 Forkwell Jobs|登録エンジニア数No.1
最後に紹介するのは、「Forkwell」です。
Forkwellはエンジニア採用に特化したサービスとなっており、転職意欲とスキルレベルが高い約5万人のエンジニアにアプローチできます。
10年以上にわたるエンジニア研究に基づいたノウハウを提供してくれるため、エンジニアに刺さりやすい求人票や、選ばれるスカウト文面を作成できるでしょう。
簡単な検索操作で自社に適した人材を探すことができるため、効率のよいエンジニア採用を実現可能です。
詳しくはこちらのページをご確認ください。
最後にエンジニア採用代行に関連して、よく頂戴する以下の質問を紹介します。
A:採用代行は採用プロセスの一部、あるいは全部を委託できるサービスで、工数の削減や採用施策の精度向上などの効果が見込まれます。
対して人材紹介は、企業と求職者をマッチングするサービスであり、専門性の高い人材をピンポイントで紹介してもらうことができるサービスとなっています。
人材紹介の場合、採用プロセス自体は自社で対応する必要があるため、工数削減などの効果は得にくいといえるでしょう。
採用代行と人材紹介の違いを詳しく知りたい方は、「採用代行(RPO)と人材紹介の違いとは?メリットや行政への許可など8つの観点から解説」をご覧ください。
A:違法ではありません。
しかし依頼する業務によっては、職業安定法36条における委託募集に該当するケースがあります。
委託募集に該当した場合は、あらかじめ委託側・受託側双方が厚生労働大臣の許可を得ておかなければなりません。
仮に許可なく採用代行を依頼すれば、違法として扱われるでしょう。
ただし採用基準を策定したうえで採用可否の判断は自社でおこない、採用にともなう事務作業などを委託する場合は委託募集に該当せず、許可も不要です。
採用代行が違法なのかを詳しく知りたい方は、「採用代行に必要な業務委託契約書とは?締結時の注意点や違法ケースまで解説」をご覧ください。
エンジニア採用は採用ノウハウに加えて、エンジニア業界や対象とする技術に関する深い知見が必要であるため、他の職種を採用するよりも難易度が高いといえます。
特に自社の採用部門にエンジニア経験を持った人材や知見を有する人材がいない場合、採用で成果を出すことは難しいでしょう。
こういったケースでは、エンジニア採用代行を活用することで、優秀なエンジニア採用を実現できます。
エンジニア採用代行を利用することで、エンジニアや技術に精通した採用のプロが採用を代行してくれるため、採用精度の向上や採用活動の効率を高めることが可能です。
費用がかかる点やノウハウを蓄積しにくいというデメリットはあるものの、適切なサービスを選ぶことで費用対効果を高めつつ、優秀な人材を獲得できるでしょう。
エンジニア採用について課題を抱えている場合は、ぜひ当社までお問い合わせください。
この記事の監修者
後藤 望美
採用支援事業部 統括リーダー
■経歴
大手広告代理店、スタートアップのベンチャー企業を経てレジェンダ・コーポレーション入社。25年以上にわたり人事・採用業務に従事。現在、クライアントUnitにて大手・中小・業界・新卒・中途問わず、幅広く採用アウトソーシング・コンサルティングを担当。
お役立ち資料
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