新型コロナウイルス禍により変更を余儀なくされた私たちの働き方も、在宅勤務を縮小化させる等、「オフィスに回帰」されている会社も増えてきました。ですが、一方で業務改革の重要性に気づかれて検討に進んだり、実際に行動に移された方もおられるかと思います。
今回は、検討中や実際に着手されている皆様方に、改めて人事BPRとは何かを整理してお伝えしたいと考えています。
このコラムを読んでいただき、皆様の頭の中が整理されればと思いますので、是非とも最後までご覧ください。
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ネットで”BPR”を調べると、「“Business Process Re-engineering”の略で、業務プロセスを再構築する」と書かれている記事をよく見ますが、これってどういう事なのだろうと思ったことはありませんか?的を射ているようですが、ただ直訳しただけのように思えます。では、具体的にはどういう事なのでしょうか?話を進めていく前に一旦整理してみましょう。
業務プロセスを「根本的に再構築」するのが“BPR”、「個々の業務を見直す」のが“業務改善”と分類できます。
キッチンに例えてみると、リフォームやレンジ・冷蔵庫などを大きく入れ替えるのがBPRで、食器や調理器具の配置を工夫するのが業務改善かなと、思っています。
セントラルキッチンに変えたりレンジを最新のものに変更したりすると、同じ料理を作るにも調理方法や配膳までの方法は変わってきます・・・これがBPR。
ちょっとお皿が出しにくいから食器棚の配列を変更したり、動線に無駄があるのでフライパンの片づけ場所を変更したりして工夫する・・・これが業務改善。
また、ネットでBPRを調べていると“BPO”なるワードもご覧になられているかと思いますが、では、この“BPO”は何を意味するものなのかご存じでしょうか?私が考えるBPOについて、BPRと絡めて説明させていただきます。
“BPO”とは「“Business Process Outsourcing”の略で、会社でおこなう業務の一部を外部委託」する事で、ちょっとBPRと意味合いは異なりますが、実は密接しているとも言えます。
では、人事労務業務でBPRをおこなうことで得られるメリットとは何でしょうか?
従業員の能力を最大限に活かせる業務フローを構築する事により、適切な人員配置などが可能になります。
業務プロセスの見直しにより、無駄なプロセスが改善され業務コストの削減が見込めるようになります。
無駄なプロセスが排除される事で、意思決定や決裁までの時間短縮が可能になります。
業務効率化により創出した時間をコア業務に充てる事で生産性向上が見込める他、削減できたコストを新たな投資に充てる事ができるようになります。
BPRをおこない業務プロセスを透明化させることにより、属人化を排除し、担当者の離職や休職があった際のリスクを回避する事ができます。
何事でも同じことが言えますが、物事を変えていくには相応の覚悟を持たないと、失敗に終わる事があります。そうならないためにも大切な事はこの2つだと私たちは感じています。
では、人事BPRを成功させるにはどのような進め方をしていけばいいのでしょうか?当社が実際にお客様に提供しているプロセスを紹介いたします。
現在遂行している業務フローをタスク毎に確認していきます。この作業は可能な限り細かく5W2Hを明確にするのを心掛けてください。特に“Why=なぜ”を意識するようにします。
詳細化した業務毎に課題が無いか確認し、問題点があった場合は具体的に文字に起こして可視化させます。
可視化された課題を解決させる施策を検討します。ここで重要なのは、課題解決を「点」で見るのではなく、前後の作業や他部門との関係にも気を付け乍ら俯瞰で検討する事です。また、前の工程で“Why”が具体化できなかったタスクは、もしかしたら不要な工程かもしれません。「やるように引き継いだから」という理由だけで「何のために」がはっきりしない業務は廃止したとしても困らない事が意外にあります。
議論を尽くした課題解決策であっても、実践してみないと分からないこともあります。また、当初の課題は解決したものの、プロセスが変わった事により新たな課題が生じることもありますので、しっかりと検証はすることを忘れないでください。
これらの「やってみてわかったこと」に向き合う事を怠ってはいけません。この作業を軽視すると、BPRが定着せず効果が一時的なものになり失敗に終わる事があるので、極めて重要です。
これまで、進め方や考え方についてお話ししましたが、こちらでは講じていく具体策を紹介いたします。タスク毎に可視化された課題を解決に導く為に、どの策を講じたらよいか当てはめて検討していきます。
業務の進め方に課題を見出した場合、業務実施内容を再考して改善します。
手間がかかってもやらねばならない業務は必ず存在します。その場合は、業務をおこなうツールの機能を見直す事で改善を試みます。
従業員を育成して改善をおこなうという考え方もあります。但し、担当者個人のスキルアップではなく、担当部門や従業員全体の育成で底上げを目指すものでなくてはいけません。担当者だけがレベルアップし能力が向上すれば、それこそ属人化が進んでしまいます。ですので、あくまでも「〇〇部社員はxxを習得している事」というように部門全体を育成する事が大切です。
使いづらいと思いつつも長年利用しているフォーマットなどは皆さまの会社にはありませんか?それを見直す事で業務が驚くほどスムーズに変わる事があります。それは「長年ずっと使っているから」のような理由で、フォーマットの本来の機能を失っている事に気づいていない事が多い為です。企業活動に限った事ではありませんが、大きな制度改定ではなくても、小さな約束事が変わったりします。そのような事が起こった時には利用しているフォーマットも都度見直してみてください。
フォームの見直しと同じように、長年利用しているシステムと現行制度に歪みが生じてくることがあります。導入当初はスムーズに利用できていたシステムでも、カスタマイズを繰り返した結果、システムが柔軟性を失ってしまいます。また、人事システムの進歩は目を見張るものがありますので、利用するシステムを変えてみてDX化を推し進めていく改善は、費用はかかるものの、最も効果が見えてくる手法と言えます。
先にもお話ししましたが、BPOはBPRの一環であり、外部専門家の知見を取り入れて、業務改革を推し進め、業務の品質向上や安定稼働をもたらすことができます。
人事BPRの考え方について話を進めてきましたが、ここでは、実際にBPRを推進する際に留意しておきたい点を紹介します。
何事にも言えますが、改革をする際には明確に「あるべき姿」を持つようにする必要があります。そのためには課題がどこにあるかしっかり検討してください。また、もし老朽化したシステムを入れ替えるのがきっかけだったとしても、新しいシステムで何を実現したいかを検討してみてください。「現システムと同じようにできれば良い」では、進歩が見込めませんのでご注意を。
冒頭でもお話ししましたが、特に管理業務のBPRは役職や立場で考えにズレが生じる事があります。“経営層”、“管理部門”、”従業員“全てにメリットを感じてもらえるような施策を検討し、周知させることが肝要です。
抜本的な改善に費用と時間をかけるBPRは“出たとこ勝負”で進める事は許されません。事前の検討から改善策の策定、担当者のアサイン、業者との交渉、社内周知、テストから本稼働まで、詳細化したマスタスケジュールを作成し、更に不測の事態に備えたコンティンジェンシープランまでも準備しておくのが望ましくあります。
人事BPRのトレンドと手法に関する詳細はこちらをご覧ください。
>> なぜ、いま人事BPRが求められているのか?人的資本経営を支える人事BPRトレンド4選
今回は、BPRとはどういうものかをお話しするとともに、検討されている方々に向けて、特に事前準備の参考になるよう、ポイントごとに紹介させていただきました。
当社では創業以来お客様と並走しながらBPRをおこなっていき、人事業務の効率化と最適化を推し進めています。
人事・労務管理の見直しを検討される際には、多くのノウハウを持った当社コンサルタントが支援させていただきますので、当社に是非ともご相談ください。
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