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労務コラム健康経営優良法人の申請に向けた公開座談会!経営と現場、各ポジションの申請の壁と解決のヒント

最終更新日:2024年7月26日

企業の健康経営の取組および、健康経営優良法人の認定を受けることが、企業にとって様々なメリットがあることは理解できたものの、いざ認定を受けようと動きだすと、どうしていいか分からないと思われる担当者の方は多いと思います。

健康経営優良法人の申請項目は多岐に渡っています。そのため、申請を検討される企業の社内を巻き込みながら推進していくことになります。たとえば、経営層、人事部、部門ごとの担当者、法務部、データ分析担当など、社内だけでも複数の関係者の巻き込みが必須だけに、それぞれの立場の思惑や課題と感じるポイントがあり、乗り越えるべき壁も多種多様です。

そこで、申請に向けて準備をしている企業の関係者が集まって座談会を行いましたので、その様子をお届けします。それぞれのポジションでどのような点に注意して準備が必要なのか、関係者への依頼のやり方の工夫する点はどこなのかヒントとしていただければ幸いです。

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健康経営優良法人の認定に向けて準備中の会社の座談会の様子

<会社のビジョン・ミッション・バリューとのつながりを示すこと>

司会者

本日は、健康経営認証取得に関する課題と解決策について話し合いたいと思います。まず、申請の幅が広くてどこから手を付けていいか分からないという点について、皆さんの意見を伺いたいと思います。

Bさん(人事部)

そうですね。経営判断の優先度を上げるため経営層に対しては、会社のビジョン・ミッション・バリューとのつながりを示すことが重要です。

Aさん(経営層)

いざ動き出そうと判断しても健康経営認証の申請は多岐にわたる項目があり、どこから始めるべきか迷いますね。特に、経営層としては、取得の必要性をどのように会社全体に説明すれば良いのかが課題です。

Cさん(現場管理者)

現場から見ると、即効性のない取り組みが多く、投資対効果も見えにくいです。そのため、KGIやKPIといった効果を計測できる指標を定め、定期的に効果検証していく必要があります。

Dさん(データ分析担当)

申請の期間が決まっている上、毎年申請の項目が変更されるため、短期的な目線では続かないのが現実です。認証取得がゴールではなく、維持向上していくための継続的な取り組みが求められると思います。

Eさん(法務部)

一度認証を受けると、万が一取消となった際の影響が怖いですね。認証取得が目的ではなく、取得への取り組みを契機として真に健康な職場環境をつくっていきたいと理解していますが、会社が抱える根本的な問題に踏み込む必要があります。

<従業員が健康経営と思えなければ、社内外に対して逆効果にも>

司会者

なるほど。次に、通常業務もあり取得に関する作業に手が回らないという点について、どうお考えですか?

Bさん(人事部)

経営陣とのコンセンサスを得るのも難しいですね。提案、議論、合意を得るためには、申請に必要な資料をまとめる時間が必要です。

Aさん(経営層)

課題の整理や解決策の検討に時間が取れないのは大きな問題です。現場の実態把握も大変ですし、検討・申請に必要なデータをつくるのも手間がかかりますし。

Dさん(データ分析担当)

問われている内容の解釈が誤っていないか、一般的な解釈と自社の解釈にズレがないかも確認が必要です。申請時に記載する内容に問題がないか、基準を満たしているか、十分な根拠を示せているかも重要になってきます。

Cさん(現場管理者)

関係各所に協力を仰がなければいけないが、その関係者をリードしていくのが大変です。

Eさん(法務部)

従業員を巻き込みながら進めるのは難しいですね。会社がいくら「健康経営」を掲げても、従業員がそう思えなければ、社内外に対して逆効果になるので。

<外部と連携する際は、コンプライアンス徹底を>

司会者

確かに、従業員の捉え方や考え方、温度感、優先度が様々なので、総論賛成・各論反対になりやすいですね。健康課題は会社生活と私生活と分けて考えるのが難しいテーマです。

Aさん(経営層)

就業環境のバリエーションも増え、さらに個別性が高まっています。従業員の機微情報に触れることになるので、その取り扱いについて従業員の理解・合意を得ながら進めなければいけません。

Bさん(人事部)

管理、抑制、禁止といった制約を促す取り組みになりがちで、従業員のモチベーションの維持向上が難しいですね。従業員が自主的・積極的に取り組めるような進め方を考えています。

Cさん(現場管理者)

会社全体の進め方だけでなく、健康課題への対応手段も外部から適切な知見を得る必要があります。健康管理に関する専門知識や特別なスキルを必ずしも持っているとは限らないので。ただ、それにはコストもかかります。

Eさん(法務部)

外部と連携する際は、コンプライアンス徹底、従業員の合意、データ連携が安全・スムーズに行えるかも課題です。

司会者

本日は多くの課題が挙がりましたが、これらを解決するためには、各部門が連携し、具体的なアクションプランを策定することが重要です。皆さん、ありがとうございました。

このように、各参加者がそれぞれの視点から課題を共有し、解決策を模索することで、健康経営認証取得に向けた具体的なアクションプランを策定するための基盤が整います。

まとめと解決ポイント

さて、今回の座談会で出た課題と解決のヒントをこちらにまとめました。

認定基準の理解と適用

認定基準が多岐にわたり、それぞれの基準を正確に理解し、適用することが困難です。特に、中小企業にとっては、必要なリソースや専門知識が不足している場合があります。

⇒解決のポイント:申請における必要事項や認定の条件をしっかり読込み、認定事務局への問い合わせなど行います。

従業員の健康管理プログラムの開発

従業員一人ひとりの健康状態やニーズに合わせた健康管理プログラムを開発することは、時間と労力がかかる作業です。また、プログラムの効果を測定し、継続的に改善する必要があります。

⇒解決のポイント:加入している健康保険組合のアプリやイベントの参加、そのほか健康系のアプリなどの活用も可能です。

コミュニケーションと従業員の参加

健康経営の取り組みに対する従業員の理解と参加を得るためには、効果的なコミュニケーション戦略が必要です。従業員がプログラムに積極的に参加するように動機づけることが重要です。

⇒解決のポイント:トップからのメッセージに健康経営に関する内容を折り込むほか、全社的な会合の場で発信を行うなど、活動内容を小まめに発信する場を設けることが第一歩となります。

データ管理とプライバシーの保護

従業員の健康データを管理する際には、プライバシーの保護が大きな課題となります。個人情報保護法などの法律を遵守しながら、適切なデータ管理を行う必要があります。

⇒解決のポイント:システムを入れるほか、代行業者にデータ化や管理を依頼する方法があります。

予算と資源の確保

健康経営に必要な予算や資源を確保することは、特に経済的に厳しい時期には大変な挑戦です。健康プログラムのコスト対効果を評価し、経営層にその価値を訴えることが求められます。

⇒解決のポイント:まずは健康経営で自社にとって対応が必要なポイントはどこかを認定基準に照らして書き出し、それらの優先順位をつけてみると整理できます。

これらの点を踏まえ、健康経営優良法人の認定取得に向けた計画を立てる際には、専門家のアドバイスを求めたり、他の認定企業の事例を参考にしたりすることが有効です。また、従業員の健康を維持し、生産性を高めるための長期的な投資として捉えることが重要です。

健康経営優良法人の申請に関する詳細はこちらをご覧ください。
>> 【徹底解説】 健康経営優良法人2025認定制度の申請ガイドとスケジュール解説!

最後に

レジェンダ・コーポレーションでは、健康経営優良法人資格取得サポートを行っております。申請に関するご相談だけでなく、「健康経営」を実現するための幅広い人事のご相談をお受けしております。

座談会の様子を見て、頷いている各担当者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。まずはお気軽にご相談ください。

https://www.leggenda.co.jp/human_resources_management/hpmo_support/

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