内閣府が2/15に発表した2023年の名目国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)で日本はドイツに抜かれ世界4位に転落しました。
2009年まで日本はずっとアメリカに次ぐ2位(の経済規模)だったのですが、その後、2010年に中国に抜かれ、そして今回4位にまで転落してしまったことになります。この経済的な転落には、短期的な要因として「円安」が影響しているとも言えますが、日本経済自体が長年停滞を続けていることも大きな要因です。特に、日本経済が直面している大きな課題として、「労働生産性の低さ」と「少子高齢化」が挙げられます。
「少子高齢化」は、消費も労働力も減少するという問題を引き起こします。日本が抱える構造的課題として、生産年齢人口の減少と従業員の高齢化があります。15歳~64歳の生産年齢人口は減り続け、この現象は長期的に続くと予想されており、2050年頃までには65歳以上が人口の40%まで増加すると言われています。この先、人口が爆発的に増えている世界5位のインドにやがて抜かされる懸念は大きいです。
一方、「労働生産性の低さ」については、2022年の労働生産性の国際ランキングによると、日本は経済協力開発機構(OECD)に加盟する38か国中30位で、1970年以降で最低のランキングとなりました。先進7か国(G7)でも最下位となっており、アメリカの6割ほどの生産性にとどまっていると言われています。
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労働生産性とは、働く人が一定の時間内でどれだけのモノやサービスを生み出すかを示す指標です。生産性が上がれば経済成長や豊かさにつながります。2023年の労働経済の分析(労働経済白書)では、日本の1人あたりの労働生産性は1996年以降ほぼ横ばいで、他国に比べて伸び悩んでいると指摘されています。
ここで労働生産性を低下させる要因をご紹介いたします。
まず大きな要因としては「個人」「組織・環境」の2つに分けられます。さらにその中でも区分され、大きく5つのカテゴリーに分けられます。以下の資料はこの5つに関して、厚生労働省の離職調査(令和2年)のデータ、オンライン上の情報、弊社コンサルタントが長年の顧客データ等から蓄積した情報を分類したものです。
労働生産性を低下させる要因例一覧:
→ こちらよりご請求いただけます。
Decrease_Labor_Force_Factors_Leggenda_Ref-240311.pdf (1MB)
生産性を低下させる要因にはさまざまありますが、注目すべき大きなポイントとしては以下が挙げられます。
離職・離脱(病欠・休職)した人を主体で見ると、生産性は0(ゼロ)になるといえます。離職・離脱(病欠・休職)が発生した組織においては、人手不足となり業務が滞る可能性があります。これは生産性や企業業績に直接影響を及ぼします。
残された社員がなんとか踏ん張って、離職・離脱(病欠・休職)者の業務をカバーできた場合、一時的には生産性は上がるかもしれません。ただしそれは一時のことで、踏ん張る期間が継続してしまうと、残された社員の疲弊・モチベーションの低下となり、離職の連鎖につながりかねません。また、離職者の穴を埋めるために新たな採用を行うと、採用費・教育研修費などのコストが発生しますし、新規採用者が、前任者と同様の労働生産性を再現するには、いくぶんかの時間を要するでしょう。
※病気などでの一時離脱(病欠・休職)は、WHO(世界保健機関)によって提唱された、健康問題に起因したパフォーマンスの損失を表す指標「アブセンティーズム」として注目されています。「アブセンティーズム」は健康経営のアウトカムでもよく用いられています。
健康問題による出勤時の生産性低下は、WHO(世界保健機関)によって提唱された、健康問題に起因したパフォーマンスの損失を表す指標「プレゼンティーズム」としても注目されています。出勤はしているが何らかの健康問題によって業務の能率が落ちている状態「プレセンティーズム」による労働損失は、アブセンティーズムによる労働損失より大きいと言われています。
その中でも「病気(症状・アレルギー含む)」「メンタルヘルス不調」は、比較的長期にわたり影響をおよぼすため注目すべきポイントとなります。そのため「病気(症状・アレルギー含む)」「メンタルヘルス不調」を含む心身の不調に対する予防や改善・回復に向けた取組みが重要となります。
人が年を取るのは自然の摂理。
特に、長年にわたり社員を育ててきた企業ほど、高齢化は避けて通れない現象となっています。近年、生産年齢人口の減少と従業員の高齢化が進行しています。これに対応するため、多くの企業が定年を60歳から65歳に延長し、さらに70歳への延長を検討しています。しかし、高年齢ほど病気や怪我のリスクが高まるため、健康を維持した労働が危ぶまれる状況にも直面しています。
このような状況下で、企業が取るべきアクションは二つあります。一つは、怪我や病気そのものの予防や健康づくりに対して積極的に取り組むこと。これにより、生産性の維持向上を図ることが可能となります。
もう一つは、シニア社員が新しい役割を見つけていくこと。これは、単に健康維持だけでなく、自身の経験や知識を活かし、新たな価値を創造するための役割です。これらの取り組みを通じて、企業は高齢化社会に対応しつつ、持続的な成長を達成することができるでしょう。
ここまで生産性を低下させる要因例を複数ご紹介して参りました。
みなさんの組織に当てはまるものはありましたでしょうか?
当てはまる場合、その原因は何か分析できていらっしゃいますか?
全ての生産性の低下には、疲弊やモチベーション低下などを引き起こし、従業員の離脱・離職につながる可能性があります。レジェンダが各種サーベイによる分析やサポートサービスで生産性向上のお手伝いをいたします。
サポート例:
⇒人事データを元に分析を行う【組織サーベイ】によって、離職者の傾向と実態を明らかにします
⇒【離職サーベイ(インタビュー)】 第3者だからこそ聞き出せる本音を元としたサーベイにより、実態と傾向を知ることができます ※個人特定できない形式でのご報告となります
⇒健康管理に関わるデータを統合集約・分析などにより、産業保健機能の強化をサポートします
⇒適切な医療支援体制のご紹介や関係者間の連携強化サポートをおこないます
⇒現在の状況や課題に応じて、認定までしっかりサポートさせていただきます
などなど、健康経営の実現に向けて変わりたい想いをサポートさせていただきます。
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日本経済は長らく、企業が人件費を抑えてコストカットすることで生産性を向上させようとしてきました。それがようやく今見直されて、人的資本経営や健康経営の考えにシフトしつつあります。人に投資をし、人を活かすことが、結果的には労働生産性を上げることへとつながっていきます。労働生産性の向上が、日本経済の浮上につながることを期待しています。
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