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労務コラム給与計算担当者はエッセンシャルワーカー!? コロナ禍だから実現した人事・労務のDX進化

最終更新日:2022年4月14日

コロナ禍と言われるようになって早2年が経過しました。ニューノーマルの行動様式は、企業のビジネス環境やマーケットの変化にダイレクトに結びついています。この変化は当社にも例外なく押し寄せ、振り返ると事業やサービスの成長のきっかけになったと感じており、我々の経験が人事担当、労務担当の皆様の一助になればと思います。

本コラムのキーワード

  • エッセンシャルワーカー
  • リモートワーク
  • デジタライゼーション
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)

国内最大規模の独立系RPOの
”レジェンダ・
コーポレーション”

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1. 実は我々エッセンシャルワーカーでした

2020年4月7日のコロナ禍による1回目の緊急事態宣言の発令を受けて行動制限が当たり前の世の中に一変しました。私が担当している人事・労務のBPO、システム、コンサルティングの各サービスについても例に漏れず、行動制限の制約を順守かつ仮にコロナ罹患者が発生してもお客様に迷惑をかけない形でサービスを継続し続けることが課題であり、命題になりました。

どのような対策を講じることが効果的か、より多くの感染が発生している海外の事例を調査する中で見つけたエッセンシャルワークについての記事には、「給与事務はエッセンシャルワーカー」との記載が。この中では決まった日に給与を支給し続けることが世界でも不可欠な仕事であると認定されています。それ以来我々は社会的意義を誇りに仕事に向き合っています。

2. リモートワーク活用のための3本の矢が効果的

しかし、誇りや使命感だけでは、サービス継続の必要条件は満たせません。会社に出社することを前提とした業務プロセスから、人との接触を極小化したリモートワーク前提への変化が必要となりました。振り返ってみると以下の「3本の矢」が効果的であったと思います。

  • 一の矢 コンティンジェンシープラン
  • 二の矢 人事システムEHR
  • 三の矢 HRBP機能による面談

一の矢、「コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)」

お客様とも議論し、給与を支給し続けることが必要不可欠な業務であると特定。不測の事態が発生した場合の優先順付けと確実に業務実行するためのプロセスおよび体制が確立しました。結果的にコンティンジェンシープランは発動していませんが、業務に臨む従業員やお客様にとって精神衛生上の利点があったと思います。

二の矢、「人事システムEHR」

当社BPOサービスでは、人事システムのEHRを利用していただくことを前提としています。EHRは紙処理を排除し、デジタルのワークフローやタイムシートから人事データベースへの自動連携と給与明細等の各種アウトプットをデジタル化しています。つまり、コロナ以前からリモートワークと親和性の高いシステムを利用していたことが功を奏したと言えます。

三の矢、「HRBP機能による面談」

リモートワーク慣れをしていない従業員をフォローできる体制を持っていたことも円滑にリモートワーク化を進めるうえで重要なポイントでした。ピープルユニットと呼んでいる所謂HRBP機能があり、毎日多くの従業員との面談をおこない、心身とも健康な状態で業務を行えているかの状態把握および個別フォローが可能となりました。

3. デジタイゼーションからデジタライゼーションへ

前述のとおり、EHRを利用することで業務プロセスの大部分はデジタル化されていましたが、紙処理やアナログ情報をデジタルに置き換えただけのデジタイゼーションが部分的に残っていました。

一般的にリモートワーク下では業務生産性が低下する傾向にあります。生産性低下を補うために業務プロセスの再点検を行い、デジタル技術による最適な業務プロセス構築に取り組んでいます。業務プロセスの中には必要な多様性と不要な多様性が混在しています。お客様にも多大なる協力をいただき不要な多様性を排除し、デジタル化を前提とした業務プロセスの再構築を行っています。

更なる改善の余地はあるものの、リモートワーク下にあっても生産性を低下させず業務継続ができており、一定の成果が出ていると自負しています。

4. 次のステップはデジタルトランスフォーメーション(DX)

2022年以降のテーマはデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)です。

  • サービスのDX
  • 人材のDX
  • ビジネスモデルのDX
  • 顧客接点のDX etc…

取り組むDXテーマはいろいろありますが、ここではサービスと人材のDXについて触れておきます。

「サービスのDX」

ワークフローから人事データベースへの自動連携に加えて、BPOでデータのチェックを実施することで精緻な人事情報が蓄積されることが当社サービスの特徴になっています。次の段階としてはデータを経営や事業、人事が必要とする情報に変換して提供すること、それがサービスをDXすることだと考えています。

例えば、

人事向け 勤務状況、昇進昇格情報
経営向け 総人件費推移、労働分配率、平均勤続年数、男女比率
また、最近ご相談を頂くことが多くなってきたコーポレートガバナンスコード改定に伴う「人的資本の情報開示」、「ISO30414」への対応についてもサービス化を視野に入れています。

「人材のDX」

ニューノーマルな時代とは、多様な価値観を持った人々が多様な場所、場面で多様な働き方をする時代です。多様な働き方を肯定し、多様な才能を持った人材、パートナーが集う企業、サービスになることが付加価値の源泉になっていくでしょう。

そのためにフレキシブルな仕事環境、居住地域に捕らわれない雇用、納得感のある評価処遇、パートナーとの積極的な協業、世間の要求レベルを意識した情報セキュリティなど取り組むテーマは盛りだくさんです。我々の取り組みが皆さまのラボとして活用できるような情報発信を続けていきます。

DX化を進めるためのプロセスに関する詳細はこちらをご覧ください。
>> 人事DXのカギを解説「捨てること」ではかどる業務改革

最後に

今回は当社の取り組みについてご紹介させて頂きました。事業会社の人事・労務を進化させる事例の1つとしてご覧いただけると幸いです。

人事界隈ではISO30414がトレンドになりつつあります。人的資本への投資を事業の成長に繋げていく機能こそが人事・労務です。この役割を全うするために以下3点が重要だと考えます。

  • 人事の仕事量の80%を占めるオペレーションをBPR+デジタライゼーションによって極小化する。
  • 労務担当はDXの要となる人事データの精度を守る番人になる。
  • 人事担当は従業員や事業部門とのコミュニケーションを密にし、戦力の維持(リテンション)、向上(最適配置)などで現場の戦力づくりのプロデューサーになる。

仕事やプライベートでいろいろな企業の方とお話させていただくと、企業内で人事への期待値が格段に高まっているのを感じます。人事がバリューアップ部門としてポジションを形成する流れが来ているのではないでしょうか。皆さまも流れを意識して人事・労務を進化させてください。我々もそんな流れをアシストできるように当社で試行錯誤した結果をサービスとして還元していきます。

次回は文中でも触れている「人事DX」や「ISO30414」など、人事・労務の次なる進化のシナリオについて執筆できればと考えています。最後までお読みいただけましたこと、心より御礼申し上げます。

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コラム作者情報

人事労務支援事業部部長
前職 IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)では人事コンサルタントとして、大企業向けの各種コンサルティング案件に従事。2010年にレジェンダ・コーポレーション(株)に入社後もコンサルタント、プロジェクトマネージャーとして活躍。2018年に現職 人事・労務支援事業部 部長に就任。

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