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労務コラム給与計算をアウトソースしても業務が減らない人に教える チャットボット導入によるヘルプデスクサービス

給与計算や労務手続きのアウトソーシングは、昔と比べるとかなり一般的になり、大手企業はもちろんですが中小企業でも導入されている企業が多くなってきました。中小企業への導入が進んだ背景としては、システムの発達等により、導入費用が昔と比べて安価になってきたことがあげられます。

しかし、そういったアウトソーシングを導入しても一向に業務負荷が軽減されず、日々の作業系業務に追われている方もいらっしゃるようです。当社では、チャットボットの導入により、ヘルプデスクサービスの付加価値を高めたサービスもオプションで提供しているのですが、それにより労務担当者様の負荷軽減を実現しています。

今回は日々の作業系業務に追われて、本来労務として取り組むべき組織改善などの業務が出来ない方にご覧いただきたいコラムです。

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給与計算をアウトソースしても業務が楽にならないナゼ!?

チャットボット導入のお話をする前に、労務業務のヘルプデスクサービスについて少しだけご紹介させてもらいます。

当社では、お客様である人事部門の方のコア業務である経営戦略を実現する「人と組織」の業務に集中いただくことを念頭に業務を行っています。

労務のアウトソースの柱は、給与計算や「入社」、「退職」、「休職」、「復職」などの各種イベント発生時の社内手続き、給与計算への反映といった事務作業が主なものになります。

お客様のお話を伺っていると「給与計算」などの事務作業を外部委託しても業務が減らないという問題を抱えているケースがあります。その理由の一つに、社員サービスとして残した従業員からの個別相談があり、この対応に追われて業務の手が止まってしまうなどの声があります。実はこの従業員の個別対応も「対応すべきタスク」を整理していくとかなりの部分が定型化出来ることをご存知でしょうか。

当社では、従業員からの問い合わせを人事部門の方に代わって対応する「ヘルプデスク」というサービスを事業開始当初からオプションとして提供しており、チャットボットの導入以前からお客様のニーズが高いサービスとなっていました。それがチャットボット導入により、お客様の更なるニーズに応えることが可能になっていますので後程ご紹介します。

ヘルプデスクサービスに話を戻しますが、これはいわゆる一般的なコールセンターとは異なり、各社の担当者が対応しているため、お客様の人事制度や処理に精通したものが対応できることがお客様にとってのメリットでもあります。

お客様側のメリットもありますが、当社が直接対応することにより「手続き方法」、「システムの操作に関する問い合わせ」など、業務を行っている側が対応するほうが効率がよいという側面もあります。

また、直接お問い合わせを受けることで、提供しているサービスやシステムのユーザーインターフェイスの課題も見つけやすく、お客様にそれらを共有することで次への改善につなげることができるのです。

チャットボット導入のねらい

これまで、ヘルプデスクは電話とメールで対応していましたが、当社のノウハウを生かして数年前からヘルプデスクのサービスにチャットボットを導入しています。
ヘルプデスクの業務を深堀していくと

  • 問い合わせ履歴を見ると、同じような問い合わせが多い
  • 問い合わせの内容を紐解くと、一問一答で回答できるものが相当数ありパターン化しやすい
  • お客様同様、電話対応に業務が中断されることにより、集中して業務がしにくい
  • 人材育成・ノウハウ継承が困難
  • 人が対応するメリットも多いが、属人化や回答者による“質の差”をなくすことに非常にパワーがかかる

といった課題がありましたが、これらを解決するためのツールとしてチャットボットが有効でした。
また、昨年からのコロナ禍により外出自粛で電話対応ができなくなった。というのも導入が加速した一因と考えています。

チャットボット導入のメリット

チャットボットをヘルプデスクに導入するにあたって、ネットなどでは様々な失敗例もよく耳にします。
例えば、完璧を目指しすぎるあまりFAQの仕込みに多大なパワーがかってしまう、導入側の自己満足によりFAQの数をそろえることに注力してしまい、結局使ってもらえないというような話です。
そこで導入にあたっては、「質問したことが解決できない」といったこと極力を避けるために以下の点に注力しました。

  • 過去数年分の問い合わせ履歴からよくある問い合わせを抽出しFAQを作成する
  • フラットな目線でよく来そうな質問もFAQに入れておく
  • お客様側にも内容を見ていただき、表現のわかりづらさを解消する
  • 1つの質問に対して、関連する内容の質問の回答も整理してFAQをつくる
  • “いいまわし“の違いによるヒット率低下を避けるための工夫をする
  • 対応品質の均質化が図れる

導入のメリットとしては以下のような点があげられます。

  • ちょっと聞きたいことを気軽に質問ができる(わざわざ電話するよりハードルが低い。)
  • “人”による対応では実現できなかったサービス時間外の対応が可能になった
  • 問い合わせ内容をデータ化しやすく、それを用いた改善提案ができるようになった
  • 年次業務(例:年末調整)に合わせてFAQを入れ替え、繁忙期に合わせた対応ができるようになった
  • 人事部の方も想定していなかった質問のヒット率が意外に高いなど、問い合わせ分析が可能になった
  • アウトソーサーである当社側の負荷も低減されるため、そのリソースをお客様の別の業務に還元できる

導入効果をあげるために

一度導入するとそのままにしてしまいがちですが、導入効果を上げるために継続実施していることをいくつかご紹介します。

  • FAQを磨く

    具体的には、ヒットしなかった質問や満足度が低い質問への対応です。
    ヒット率の悪い質問は、「ニーズがない」、「質問文にキーワードがなく引っかからなかった」などの原因が考えられますが、それらを見極め、質問文や回答文の修正、場合によっては入れ替えを行います。

  • 100%を目指さない=システムと対人サービスの住み分けを決める

    手続き方法、システムの操作などはチャットボット向きの質問ですが、質問者の処理状況の進捗に関する質問や緊急を要する問い合わせなどは不向きです。
    “人”にしか対応できない部分は人が対応すると割り切ることによって、FAQの内容もシンプルにできます。

  • 数値目標を立てる

    正答率、ヒット率、電話問い合わせの削減率などの数値目標をもって取り込むことも成果をあげるために必要な要因だと思います。

  • お客様との課題共有

    ヘルプデスクの問い合わせ件数を減らすためには、お客様の協力も不可欠です。
    チャットボットに入ってきた問い合わせだけでなく、チャットボットで解決できずに電話やメールで入ってきた従業員の声や要望をお伝えすることで、当社だけでは対応できない課題解決に活用しています。

まとめ

今回は、ほんの一例としてヘルプデスク対応に関する様々な工夫をご紹介しました。
労務業務のヘルプデスクも提供している当社の実感としては、従業員の個別対応は給与計算をするよりも膨大な時間を費やしています。なので、いくら給与計算や入退社手続きを外部委託しても、それらに関する問い合わせ窓口を内製化していては、労務担当者の業務負荷は低減されません。
当社の目指すところは単なる業務のアウトソース先にとどまらず、お客様の経営課題に何らかの形で寄与していけるone teamとなることです。
ご紹介したヘルプデスクサービスは、そういった意味でお客様に貢献した実績を持っています。導入後、派遣社員や契約社員の人数を削減できたといった声や、経営層からのミッションへの対応が早くなり組織改善が前に進むようになったなどの目に見える実感をいただいております。
これに満足せず、今回のようなチャットボット導入より、従業員の方の定型的な質問をシステム化することによって削減した我々のリソース(時間)を、より付加価値の高い業務に充てていきたいと考えています。

このように当社では、採用・労務・人事に関する企業様の課題解決をご支援させていただいております。採用設計やBPRといったコンサルティング領域から、採用代行や給与計算といったアウトソーシングまで幅広くサービスを展開しております。ご相談だけでも構いませんので、よろしければ一度お問い合わせください。

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